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なぜ渋谷には「車椅子の人」がいないのか? 分身ロボット開発者が突きつける「孤独」という名の社会病理

1/20(月) 19:30配信

アーバン ライフ メトロ

実際に分身ロボットカフェを体験

 実際に席に着いて体験することに。筆者たちのテーブル担当は、日常レベルの生活に著しい制限がある筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)を患う「あかねちゃん」です。自己紹介と注文を受けた後は、自由にあかねちゃんとおしゃべりできます。

 あかねちゃんは秋田市の自宅にいながら、電動ベッドを起こした状態でパソコンの画面を使って操作しているそう。大学卒業後、すぐに病気が発症したため働いたことがないので、働けてとてもうれしいと言います。病気のことや秋田の食べ物のこと、「OriHime」を使ってパイロットたちと遠隔サッカーをしたことなどを気軽に話してくれました。高知県のみかん農家から「みかんの収穫ではひとりで孤独だから」ということで、話し相手として呼ばれたこともあるんだとか。

 あかねちゃんと話していてまず驚くのが、そのクリアな音声。実際にそこにいるかのようです。また隣にある画面にはあかねちゃんが随時写真を表示しながら話してくれるので、リアルタイムに同じ時間を共有している実感も強く感じました。

 また最後に、筆者だけがひとりテーブルに残った際には「静かにコーヒーを楽しまれたいなら、私は黙っていますので」と気遣ってくれました。

「あれ、本来あかねちゃんを気遣い、手を差し伸べるべきなのは筆者では……? いや、このお店ではお客さんと店員なのだし、そもそも私たちは障害の有無は関係なく人間としてフラットな関係だ。どちらも店員になり得るし、どちらもお客さんになり得る……」

と、自分の価値観や考えが揺らいでいくのがわかりました。

 単なる飲食サービスとしてではなく、パイロットとの出会いによって新しい知見やコミュニケーションを得られる価値がそこにはありました。

 なお、パイロットとは連絡先交換も自由なんだとか。お互いの出会いを推奨し、そこから新たな仕事やプロジェクトなどへ花開いてほしいという願いがあるためだそうです。

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最終更新:1/20(月) 21:32
アーバン ライフ メトロ

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