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15~39歳でがん発病「AYA世代」 孤立防止へ支え合いの輪

1/20(月) 10:43配信

山陽新聞デジタル

 思春期(adolescent)と若年成人(young adult)の頭文字から「AYA(アヤ)世代」と呼ばれる、15~39歳で発病するがん患者が注目されている。中年以降に比べると患者数は少ないものの、がんの再発や治療の副作用に対する不安だけでなく、進学、就職、結婚、出産など人生の重要な節目で治療との兼ね合いに悩み、難しい選択を迫られることがある。医療者にも打ち明けにくい本音を語り合い、互いの経験に学ぶ当事者グループが昨年、岡山で立ち上がった。他の地域のグループとも交流し、支え合いの輪を広げようと活動している。

 鶏の唐揚げにドリア、イチゴのホールケーキ…。女性たち8人が料理の並ぶテーブルを囲む。昨年12月8日、若年性がんサポートグループ「AYA(アヤ) Can(キャン)!!」初のクリスマス会が岡山大学病院近くのブックカフェ栞日(しおりび)(岡山市北区鹿田町)で開かれた。

 「抗がん剤治療中は段ボールをかじっているみたいだった。今は何を食べてもおいしくて、太っちゃいそう」。あいさつもそこそこに体調を巡るよもやま話が始まる。20代から30代で乳がんや卵巣がん、肺がんを経験した女性たちは、家事や子育て、仕事のことなど、堰(せき)を切ったように話を弾ませた。

 グループを主宰するボーマン三枝さん(38)=岡山県早島町=は、31歳の時に乳がんを告げられた。英国人の夫と結婚してまだ3カ月。手術でがんは取り切れたものの、再発を防ぐためにホルモン療法を勧められた。注射・内服薬の治療は数年間続き、その間は妊娠することを避けなければならない。

 子どもが欲しかったボーマンさんは悩んだ。当時はがん患者の妊娠・出産についての情報がなかなか得られなかった。リスクを承知でホルモン療法を辞退し、2人の娘を産むことができたが、「同じ世代の患者仲間が集まり、相談できる場所があればよかった」という思いが残り、昨年6月にグループを結成した。おしゃべり会や勉強会など、これまでに6回集まった。

 一番つらかったのは、治療中の「孤立」だという参加者が少なくない。卵巣がんを手術し、抗がん剤治療も受けている女性は「一時は何もかも怖くなり、外出できなくなった」と訴えた。ネットで自分のがんを検索しても暗い情報ばかり。ママ友とも顔を合わせられない。やっとの思いでグループにたどり着いたのだという。

 グループのモットーは「自分らしく楽しく生きる」。初めて知らない人に自分の乳がんを打ち明けた女性は「同じ病気の人なら理解してもらえる。私は誰かに話したかったんだと気づいた」と、気持ちが楽になったことを喜んだ。

 クリスマス会では、神奈川県のAYA世代患者グループ「アグタス」と連絡を取り、オンラインのビデオ会議で交流した。アグタスには男性の患者もおり、治療による男性の性機能への影響や、今の生きがいは何かなど、岡山側から質問を投げかけ、互いにエールを送り合った。

 ボーマンさんは今後、企業にも自分たちの経験を伝え、支援を求めたいという。「治療と仕事の両立で、どう対応すればいいのか分からない企業も多いと思う。対話を通じて、私たちのことを知ってほしい」と望んでいる。

 フェイスブックの「AYA Can!!」ページでおしゃべり会などの情報を告知している。

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最終更新:1/20(月) 10:43
山陽新聞デジタル

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