ここから本文です

渡良瀬遊水地の史跡、継承へ修繕 旧谷中村民の子孫が作業に汗

1/20(月) 15:49配信

下野新聞SOON

 足尾鉱毒事件に伴う旧谷中村の強制廃村で移住した村民の子孫の男性が、渡良瀬遊水地にある谷中村史跡で、延命院跡の共同墓地の修繕作業を行っている。男性は茨城県古河市北町、石材業水野清(みずのきよし)さん(83)。墓石や石碑に倒壊や盗難の恐れがあることから、自主的に無償で取り組んでいる。「『こういう歴史があったんだ』と教えてくれる場所。これからも残っていってほしい」と強く願いながら、作業に汗を流す。

 水野家は村役場の北隣に住居を構えていたという。水野さんの曽祖父要右エ門(ようえもん)さんの代の1905年ごろ、古河市に移った。旧谷中村が強制廃村となり、残留民の家屋が取り壊されたのは07年。村民だった先祖の話を小さい頃から聞いていた水野さんは、40歳代のころに初めて史跡を訪れて以来毎年、先祖が眠る共同墓地への線香上げを欠かさず行っているという。

 石碑や墓石は土台に固定されておらず、本業が石材業の水野さんは「もし子どもが触って下敷きになったらどうしよう」と気になっていた。また、江戸期末期に作られた庚申塔(こうしんとう)の石碑や、その守り神とされる「青面(しょうめん)金剛像」の石像など貴重な石碑・石像があり、盗難の危険性も心配だった。

 地元寺院の住職らに掛け合い、今年に入って作業に取りかかることができた。石碑や墓石の土台を作り、鉄筋やセメントで固定するなどとの作業を続けている。水野さんは「(旧谷中村の村民の)子孫の人たちがこれからもこの地を守っていってほしいです」と願っている。

下野新聞社

最終更新:1/20(月) 15:49
下野新聞SOON

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事