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「つらい」と言いたいのか、社会を変えたいのか。乙武洋匡が「義足」で歩き続ける理由

1/20(月) 12:06配信

ハフポスト日本版

「いまさら綺麗事だと思われるかもしれませんが、ぼくはやはり人の役に立ちたいんです」


乙武さんは、そう言って前を向く。

1998年に発売された600万部超の大ベストセラー『五体不満足』によって、四肢欠損でありながも前向きに生きる障害者として知られることとなった乙武洋匡さん。彼の登場が世間に多大なインパクトを与えたことは想像に難くない。

以降、乙武さんはスポーツライターや小学校教諭を経て、執筆や講演、メディア出演などの発信活動を続けてきた。挑戦する彼の姿に勇気をもらった人も多いはずだ。

しかしながら、2016年に起きた不倫騒動により、乙武さんは世間から大きなバッシングを浴びることとなる。そして、メディアの最前線からその姿は消えた。

乙武さんが表舞台に立つことは、もう二度とないのだろう。当時は、誰もがそう思っていたに違いない。

ところが、乙武さんは再びメディアの注目を集めることとなった。

2018年11月に発表された義足プロジェクトだ。「OTOTAKE PROJECT」と名付けられたそれは、乙武さんが最新のロボット義足により「二足歩行」にチャレンジするというものだった。

2019年11月には、プロジェクトの全貌を綴った著書『四肢奮迅』が発売された。描かれていたのは、ひたむきに「歩くこと」に挑戦する乙武さんの姿だった。

彼はなぜ、新たなチャレンジに身を投じたのか。耳の聞こえない両親を持ち、聴覚障害について伝えるライターの五十嵐大さんがその思いを聞いた。

どん底に落ちた人間が立ち止まって考えたこと

――四肢欠損の状態で生まれた幼少期の頃から、義足エンジニアとの出会い、そして「乙武義足プロジェクト」の全貌が描かれた『四肢奮迅』を読んで、あらためて乙武さんの人生がひとつの物語のように眼前に迫ってくる印象を覚えました。

ありがとうございます。それはきっと乙武洋匡という人間についての事前情報をある程度知っていただいていることも関係しているのかもしれません。

『五体不満足』で世間に登場した私は、4年前の騒動で“社会的な死”を迎えました。もちろん、あの騒動については身から出た錆ですし、私の不徳の致すところです。時計の針を戻すことはできませんから、世間の評価を受け止めて進んでいくしかありません。

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最終更新:1/20(月) 12:06
ハフポスト日本版

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