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ちはやふる基金、末次由紀さんが語った「責任」 競技人口増で運営負担「若宮詩暢のような子にできること」

1/22(水) 7:00配信

withnews

競技人口の増加、大会運営の負担増

 《アニメや映画にも展開されるほどの作品のヒットもあって、この数年で競技人口は増加してきました。かるた大会の開催などを行う一般社団法人全日本かるた協会によると、2018年の全国高等学校かるた選手権大会の個人戦の参加者は2,019人で、2008年の416人と比べると10年間でおよそ5倍に増えています。》

――「ちはやふる」をきっかけに、競技かるたを始める人が増えたことについて、どのように感じていますか。

 大変ありがたいことです。漫画を読んでみなさんの人生の何かが少しずつ前進するきっかけになれば……と思って描いていますが、競技かるたという難しいものへの挑戦を始めてくれる人が増えるということは、漫画家としてこれ以上ないくらいの幸福なことです。嬉しいと感じるのと同時に、責任も感じています。

 《大会への参加人数が増えたことで、会場代や運営スタッフなどの負担も大きくなっています。ちはやふる基金の本保美由紀代表理事によると、畳が必要な競技であることや、スムーズな試合運営のためにあらかじめ試合で使う50枚の取り札を用意する「札分け」の作業の負担など、競技かるた独特の悩みもあるようです。》

――競技を支援するために、末次先生が発起人となって「ちはやふる基金」を設立されました。設立の背景を紹介する漫画(漫画家コミュニティサイト・コミチに掲載)でも、競技をとりまく環境の課題を描かれていましたが、末次先生が特に危機感を持ったのはどのような点でしたか。

 それまでも大小たくさんの競技人口増加に伴う困難を聞き及んでいましたが、2019年の高校選手権の運営費不足で協賛金を集めている……というニュースを見たことがまず大きかったです。2400名も高校生が出場してくれる大会になったのに、逆に苦しくなるということに衝撃を受けました。

 どこかの誰かが何とかしてくれる……と思っていたものが、そうはいかないんだと。わたし自身が自分の問題として捉えなければ、「ちはやふるみたいな青春を過ごしたい」と思ってエントリーしてくれる生徒さんがきっといる高校選手権を支えられないんだと。

――競技や選手を支援する方法として、「基金」に決めたのはどうしてだったのでしょうか。

 最初は純粋に寄付をすればなんとかなるのだろうかと考えました。でもそれも一時しのぎにしかならず、継続して大会を充実させていこうとする柱とするのは不安が残ります。より多くの人に関心を持ってもらい、持続可能なシステムを作りたいと思いました。

 バスケを応援する井上雄彦先生の「スラムダンク奨学金」や、難病ALSの研究費を支援する『宇宙兄弟』の「せりか基金」などの先行事例があったことで、ちはやふるが基金を始めることもできるのではないかという気持ちになりました。

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最終更新:1/22(水) 7:00
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