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東海村議選 争点上らぬ原発再稼働 任期中に判断の可能性も

1/21(火) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

日本原子力発電(原電)東海第2原発のお膝元、東海村の議員選挙は19日、投開票が行われ新議員が決まった。原電が再稼働を目指す意向を表明した後の選挙戦だったが、東海第2に言及したのは反対派ばかりで、容認・推進派のほとんどは口をつぐみ、争点に上らなかった。新議員は任期中に再稼働の判断を迫られる可能性もあり、各議員が態度を鮮明にして村全体での議論を先導できるか問われる。

■議会構成ほぼ同様

定数が2減の18で行われた選挙は即日開票の結果、現職17人と新人1人が当選した。再稼働の是非では、明確にしていない新人1人が当選した一方、反対派の現職1人が落選した。原発自体の容認・推進会派は10人で改選前と同様に過半数を占め、議会構成に大きな変化はなかった。

原電は昨年2月に再稼働を目指す意向を示した。新議員の任期中に再稼働の前提となる安全対策工事が終了する可能性があり、仮に原電が安全協定に基づき東海を含む6市村に再稼働の事前了解を得ようとした場合、村議会も判断を迫られる場面も想定される。

ただ、今回の村議選も東京電力福島第1原発事故後の2012年、前回16年と同様に、再稼働に言及した多くは反対派で、大きな争点にならなかった。投票率は過去最低だった前回57・98%をさらに下回る53・02%で、盛り上がりに欠けた。

■「答え、まだない」

容認・推進派は演説やリーフレットで「東海第2の有効活用」「原子力平和利用の推進」などの言葉を使うものの、再稼働に踏み込む候補者はほとんどいなかった。街頭演説でもリーフレットでも、全く触れない陣営も見られた。

再選を果たした原電社員の寺門定範氏(63)=無所属=も「原子力の共存・共栄」を掲げるのみで、再稼働には触れなかった。当選後の取材にも「4年間で大きなヤマがあると思う」と任期中に再稼働を判断する可能性は認識しながらも、「住民の安全を守ることを第一に判断したい」と述べるにとどめた。

初当選の三上修氏(58)=同=も是非は明言せず、取材に「住民の中で議論ができておらず、(自身の)答えはまだない。ただ、感情的な住民投票や署名活動で(是非を)決めてはならない」と述べた。

■口にしづらい

再稼働が語られなかった理由は何か。推進派の議員は「安全対策工事の防潮堤は完成しておらず、まだ判断できない」と持論を説く。別の推進派は「支持者には賛成と反対の両方の立場がいる。再稼働の是非を表明することで票がどう動くか分からない」と本音を明かす。態度を鮮明にしなかった議員の一人は「村内に原子力関連施設が相次いで設置された当時を知り、原子力を誇りにしてきた村民を前に簡単には原発を否定できない」と話す。

6回目の当選を飾った反対派の大名美恵子氏(65)=共産=は「再稼働の是非について態度を明らかにせず選挙を終わらせようとするのは、政治家としての役割を果たしていない」とくぎを刺す。

ただ、口にしづらさは反対派も感じているようだ。ある反対派の陣営関係者は「賛成、反対を言いづらい雰囲気は村内にある。候補者の主張は原発一本やりでなく、暮らしの問題も訴えた」と打ち明ける。

推進派の中にも「もういいかげんに再稼働の態度を言って、議会内で議論すべき」と考える議員もおり、新議会の動向が注目される。 (斉藤明成、三次豪)

茨城新聞社

最終更新:1/21(火) 10:10
茨城新聞クロスアイ

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