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通信インフラの監視やコーディングも自動化 情報・通信業界のAI活用

1/21(火) 7:00配信

ITmedia NEWS

 本連載では、AIの具体的な活用法について、業界・分野別に整理している。今回は、情報・通信の分野の取り組みを紹介したい。情報・通信業界はAIを実現・構築する側というイメージが強いかもしれないが、もちろん利用する側としてもさまざまな事例が生まれている。

コーディングの自動化(画像)

顧客対応の自動化と高度化

 他の業界と同様に、通信業界でも多くの企業が顧客対応にチャットbotの導入を進めている。例えば英国の通信事業会社Vodafoneは、2017年に英国の通信会社としては初となるチャットbot「TOBi」を導入した。

 これは「My Vodafone」アプリの一部として顧客に提供されたもので、ユーザーからの問い合わせに24時間365日対応できる。通話料や料金プランといった一般的な質問だけでなく、顧客の契約内容に応じて回答内容が変わる場合でも対応可能だ。botに回答不可能な質問が寄せられたとき、あるいは顧客が人間のオペレーターとの会話を望んだときは、オペレーターによる対応への切り替えをシームレスに行える。

 Vodafoneがこのチャットbotを導入した理由の一つは、顧客対応コストの削減だ。チャットbotが簡単な問い合わせに対応することで、オペレーターの負担を大きく削減できる。一方でチャットbotは、決して顧客対応の品質を下げるものではない。きめ細やかな対応をしてくれるチャットbotを導入すれば、対応の品質向上さえ期待できる。実際にVodafoneのケースでは、TOBiの導入後、顧客満足度が68%改善されたそうだ。

 顧客対応向けチャットbotは、国内外でも導入事例が増えている。そんな中、日本ではNTTドコモが「おたすけロボット」という自動応対サービスを18年12月に始めた。これはスマートフォンやドコモ光のトラブルに関する質問について、ロボットが自動で応対してくれるというもので、AIサービスを提供するAutomagi社のチャットbotが活用されている。同製品には自然言語処理技術と機械学習を活用した独自のエンジンが採用されており、高精度な回答ができるという。

 また顧客とのやり取りから生まれた膨大なデータは、彼らがどのようなサービスを期待しているか、料金の変化にどの程度敏感か、いつ他社に目移りしそうかを教えてくれる宝の山となる。いわゆる「ビッグデータ」がブームとなった2010年代から、高度なアナリティクスに基づく顧客対応が行われてきたが、AIの普及はその流れをさらに加速させている。

 これもドコモの例となるが、彼らはスマートフォンの解約を予測するモデルを開発し、顧客の引き留めに役立てている。報道によれば、これに基づいて適切なタイミングでダイレクトメールを発送するようにしたところ、従来比で3倍以上の効果が得られたそうだ。通信を行うデバイスはますます個人の生活に密着するようになっており、そこから得られるトランザクションデータの分析は、さらに大きな価値を通信会社にもたらすことになるだろう。

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最終更新:1/21(火) 7:00
ITmedia NEWS

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