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「年を取る=障がい者に近づく」。日本障がい者サッカー連盟・北澤豪が挑む、「他人事ではない」未来づくり

1/21(火) 17:16配信

REAL SPORTS

「サッカーは“一つ”だから。同じユニフォームを着て戦いたい」

かつてヴェルディ川崎の黄金期を支え、日本代表のユニフォームを着て戦った男は今、新たな挑戦にその身を投じている。
2016年4月に設立された、日本障がい者サッカー連盟(JIFF)の会長として目指しているのは、障がい者サッカーの普及・強化だけでも、障がい者のための社会づくりだけでもない。その先には、障がいの無い健常者にとっても生きやすい社会に行き着くものだと信じて――。

「みんなが同じユニフォームを着て、同じ夢を追う」
北澤豪の挑戦は、始まったばかりだ――。

(インタビュー・構成=野口学[REAL SPORTS副編集長])

北澤が目指す「ごちゃまぜ」の社会の意味とは?

2019年12月、北澤豪は割れんばかりの拍手に包まれながら、手にしたトロフィーの重みを感じ入り、これまで共に歩んできた仲間たちのことを想っていた。

スポーツを通して社会貢献活動を行う個人、団体を表彰する「HEROs AWARD 2019」。その最優秀賞にあたる「HEROs of the year」を、北澤が会長を務める日本障がい者サッカー連盟(JIFF)が受賞した。

「われわれは全ての障がいのある方たちも、健常者も、みんなピッチの上で一緒になってサッカーをやっています。それが、これからの日本に必要になるであろう社会の在り方かなと。サッカーを、スポーツを通して、共生社会の実現、幸せな社会づくりができればと考えています。2020年はその大きなきっかけになると思っています」

いよいよ今年、東京パラリンピックが開催される。史上唯一となる同一都市での2度目の夏季パラリンピックを控え、障がいの有無だけでなく、年齢や性別、国籍など、あらゆる違いを持つ人々が分け隔てなく当たり前のように存在し、誰もが活躍できるインクルーシブ社会の実現へ、その機運は少しずつではあるが高まりを見せつつある。

北澤が、そしてJIFFが目指しているのも、こうした「ごちゃまぜ」の社会だ。パラリンピック競技として昨今広く知られるようになったブラインドサッカー(視覚障がい者5人制サッカー)では、全盲のフィールドプレーヤーに対して、目の見えるゴールキーパーやコーラーと呼ばれる役割の人たちが声で指示を出す。だが例えばボールの位置を伝えるにも、「右!」とか「もうちょっと前!」では通じない。「右」と言っても、それは真横なのか、それとも斜め前なのか、誰から見た右なのか。「もうちょっと」とは具体的にどれぐらいの距離を指しているのか。GKやコーラーは目の見えないフィールドプレーヤーの立場になってどんな指示で伝えるのが適切なのか考え、フィールドプレーヤーはGKやコーラーが何を伝えようとしているのかを判断することが求められる。つまり、「目の見えない人と見える人の強い信頼関係が構築されて初めて成立する」競技だといえるだろう。まさに、「ごちゃまぜ」=共生社会をピッチの上で体現しているのだ。

「僕も最初に関わったころは、障がいに目がいってしまっていたんですけど、何度も会っているうちにいつの間にか障がいのことを忘れて、“サッカー”についてだけ話をしている自分がいたんですよね。1回、2回だけではなくて、回数を重ねていくことによって、“当たり前”というものがつくられていく。そういったコミュニティをどうつくるかというのがすごく重要かなと感じています」

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最終更新:1/21(火) 17:16
REAL SPORTS

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