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ほとんどの人は交渉が下手すぎる。僕が交渉のときに意識するのは「鮮やかな妥協」だ

1/21(火) 12:13配信

新R25

本当の交渉は、お互いの欲望の輪郭を探ること

たとえば、あなたはゴルフセットを手に入れたい。それを奥さんに買っていいか聞く、というシチュエーションを考えてみよう。

ここで「いかに自分はゴルフがしたいか」といった、自分のメリットやゴルフの魅力を主張しても効果はないだろう。むしろ逆効果かもしれない。

「俺はゴルフセットがほしい!」という主張に対して奥さんが「毎月のあなたのお小遣いは4万円のはずだから、その範囲で買ってください」と言ってきたとしたら、その議論はまったく意味がない。

これは交渉ではなく、ただの条件の比べ合いでしかない。

そこで、ゴルフセットを買うことで、自分だけではなく相手に何が起こるかを冷静に考えてみるのだ。

ゴルフセットを買えば、土日に夫が出かけることが多くなる。すると妻は家で1人の時間が生まれる。夫の世話をしなくてよくなるだろう。

そこで「俺がゴルフセットを買うことで、君にもメリットがあるんだよ。これは俺にとってはゴルフセットだが、君にとっては1人の時間だ。休日に俺がいなくなることで、俺の世話をしなくてもよくなるだろ? そのために10万円使おうよ」という交渉ができるかもしれない。

自分だけではなく、多角的なメリットを説明できるかどうか。

黒と白の間には「無限の空白」がある。「AもしくはB」ではなく、「AとBの間」の中に絶対に解決策はあるはずなのだ。

交渉では「それを通すための理由」をたくさん言葉にしてあげることも大切だ。

漫画『キングダム』のプロモーションで、表紙を「ビジネス書風」にして話題にしたことがあった。

そのときも最初は「表紙を変えるのは無理だ」と言われた。しかし、 表紙を変えなければポスターを使った普通のキャンペーンになってしまう。こちらとしてもそこは譲れなかった。

あらゆる交渉の末にたどり着いたのが「これはカバー(表紙)ではなく、帯である」 ということだった。

「表紙を変えているわけではなくて、広い帯を巻いているんです」 という説明の仕方で納得してもらったのだ。

先ほどのゴルフセットの話であれば、奥さんに対して「俺はゴルフがしたいんだ」 と伝えるのではなく「ダイエットをしたいから」という理由を伝えるのも手かもしれない。

遊ぶためではなく、健康のために買いたいんだという理由を伝える。

本当の目的は「ゴルフを楽しみたい」だったとしても、そこから攻めるのではなく 「ダイエットして健康になりたい」と主張する。

「俺が健康で長生きすれば、うちの家族は安泰だ」と奥さんにとってのメリットを説明することにもなる。

双方の事情は異なっていても、「相手の未来」と「自分の未来」が重なる部分は絶対にある。

交渉とは「俺にはこれが必要だけど、お前には何が必要なの?」「そして、お前の譲れない部分はどこなの?」ということをすり合わせて、重なる部分を探していくこと。

考えをすり合わせて、お互いにとっていい未来に向かっていく、というイメージが持てればうまくいくはずである。

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最終更新:1/21(火) 12:13
新R25

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