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“新日本&ルチャ”コラボ大会10周年…観戦のあり方まで変えた「ファンタスティカマニア」

1/21(火) 13:21配信

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ビッグネームより内容重視 ルチャファンが喜ぶ絶妙な人選

 新日本プロレスとメキシコ・ルチャリブレの老舗団体CMLLがコラボレーション。毎年1月におこなわれる「FANTASTICA MANIA(ファンタスティカマニア)」(以下FM)が20日の東京・後楽園ホールで10年連続10回目のツアーを終えた。

【フォトギャラリー】メキシコ・ルチャリブレの魅力満載となった新日本プロレス「FANTASTICA MANIA2020」

 FMは2011年1月22日と23日、後楽園2連戦で産声を上げている新日本の“アフター東京ドーム企画“。当時はメキシコの国民的英雄で「神の子」と呼ばれたミスティコ(現カリスティコ)ありきで実現した大会だった。が、両団体のコラボは年間を通じての交流があってこそ実を結んだものである。たとえミスティコがWWEに転出、シン・カラとして生まれ変わっても新日本はFMのシリーズを継続させた。しかも年を追うごとにスケールを拡大させ、大きな目玉選手なしでも連日多くの観衆を動員するようになり、地方にも進出。特にクライマックスとなる後楽園での連戦は連日超満員のファンを動員しており、盛り上がりにおいては新日本の選手が総出場する大会と遜色ないと言っていいだろう。むしろほかにはない独自の空間を作り出しており、いまでは完全に定着しているのだ。

 今年は1月10日大阪で開幕し、愛媛、京都、名古屋をサーキット。16日からは後楽園ホールで4大会を開催した。全8大会は3年連続であり、最多タイの興行数だ。また、来日ルチャドールも年々増加。開始当初は9選手だったが、今年はFM史上最多の21人がメキシコからやってきた。

 あらゆる面において年々記録を更新しているシリーズだが、急激に上昇したわけでは決してない。会場、大会数、また選手の選定なども地道にコツコツと実績を積み上げてきた結果だ。特に選手の選抜にはセンスのよさに脱帽するしかない。ネームバリューに頼ることなく内容重視。また、大ベテランから中堅、若手に至るまで、実にバランスよく配置しているのだ。だからこそ、ビッグネームに頼ることなく試合の中身で勝負できる体勢が固まった。“誰がきてもすごい、おもしろい“。そんなファンとの信頼関係が築けているシリーズが、FMなのである。

 もちろん今年のFMも例外ではなかった。ブシロード体制移行前から始まったルチャリブレの祭典も数えること10回。いわゆる「10周年記念」となるのだが、通常通りのFMがかえって高値安定の内容を約束していたように思う。最終戦のメインを飾ったのは、カリスティコVSバルバロ・カベルナリオのNWA世界ヒストリック・ミドル級選手権試合だった。カリスティコは前述した初代ミスティコであり、WWEからメキシコに帰国、現在は古巣CMLLが主戦場となっている。かつてメキシコ中に大ブームを起こしたが、その神通力は現在も健在。テクニコ(ベビーフェース)のトップとして、86年の歴史を誇る世界最古の団体を盛り上げている。FMには昨年カムバック、2年連続の出場だ。

 対するバルバロは“洞窟原人“の異名を取るルード(ヒール)である。FMには6年連続の参戦。初来日当初は若手だったが、日本での経験を武器に母国でブレイクした。CMLL年間最大イベント「アニベルサリオ」のメインに出場するまで出世。毎週おこなわれる定期戦でもメインで闘う機会が増えている。

 そんな2人によるメインは、1万7千人を収容するアレナ・メヒコでのビッグカードに匹敵するような大熱戦となった。メキシコのプロレス、ルチャリブレといえば華麗な空中戦だが、両者が空中殺法を駆使するのはもちろん、ルチャのもうひとつの顔であるジャベと言われる関節技も得意としているだけに一瞬も目が離せない。なにしろバルバロがカリスティコの必殺技ミスティカ(旋回式ワキ固め)を使用するという掟破りのシーンまで現出させたのだ。それでも最後はカリスティコが意地のミスティカでギブアップ勝ち。試合後には全選手がリングに上がり、日本のファンに感謝の意を表わした。マイクを取ったカリスティコは「また来年会いましょう!」とあいさつ。節目を迎えたFM。ルチャと新日本の融合は、これからもつづいていく。

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最終更新:2/1(土) 9:08
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