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相続法改正で何が変わった? ~創設された「配偶者居住権」ってどんなもの?

1/21(火) 18:50配信

ファイナンシャルフィールド

先日より、40年ぶりに大きく改正された相続法の改正ポイントについてご紹介しています。
前回は「婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産を贈与した場合の特例」についてお伝えしました。

今回は、2020年4月1日以降に発生する相続から適応できることになる配偶者居住権についてお伝えしたいと思います。

まったく新しい権利、配偶者居住権

配偶者居住権は、今回の改正で新たに創設された権利です。2020年4月1日以降の発生する相続から適用できます。どのような制度なのか詳しく見ていきましょう。

例えば、同居していたご夫婦のうち、ご主人が亡くなられたとします。
配偶者である奥さまは結婚以来、専業主婦としてご主人を支え続けてきました。自宅の所有者もご主人で、生活するための費用もご主人の収入で賄っていました。

ご主人が亡くなり相続が発生。しかし、奥さまはご主人が遺した資産に頼らなければこの後の生活に不安が残ります。

このような場合に不動産の「所有権」と「居住する権利」を切り離し、配偶者は所有権を得るよりも安価な評価となる権利を得ることができ、その結果、配偶者は住む権利とより多くの現金などの資産を相続できます。

このように配偶者居住権は配偶者を救済するために創設されたと考えられます(配偶者居住権が付いた建物の所有権は所有者が自由に使えないことから「負担付き所有権」といわれます)。

ただし、配偶者居住権は当然に得られるわけでも、必ず使わなければいけないものでもありません。一定の条件を満たしているときに活用を選択できるようになります。

配偶者居住権が成立する要件

配偶者居住権が適用できる条件は、

1.相続開始時に被相続人の所有する建物に居住している配偶者であること
2.被相続人が居住建物を配偶者以外の人と共有していないこと
3.遺産分割によって配偶者が配偶者居住権を取得するとされた、遺言によって配偶者居住権が遺贈の目的とされた、または配偶者に配偶者居住権を取得させる内容の死因贈与契約があることのいずれかに該当すること

上記の条件を満たしている必要があります。

また、遺産分割について配偶者が「配偶者居住権を希望する」ことを家庭裁判所に申し出た時には、裁判所は建物を所有する人の不利益と配偶者の生活への影響を考慮し、必要と判断されれば配偶者居住権を取得できる場合があります。

上の1、2の条件を満たしていて遺言書などがなかった場合、相続人全員で遺産分割について話し合うことになります。配偶者居住権を使うかどうか選択することができ、必ず使わなければいけないものではありません。

この制度の活用を選択することで「円満に遺産分割できるか」などについて慎重に検討する必要があります。

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最終更新:1/21(火) 18:50
ファイナンシャルフィールド

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