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麗水・順天事件の民間人犠牲者、72年を経て無罪判決

1/21(火) 13:26配信

ハンギョレ新聞

裁判所「犠牲者のチャン・ファンボンさん、犯罪要件を満たしていない」 裁判長「冤罪、正すのが遅れ遺族に申し訳ない」

 麗水・順天(ヨス・スンチョン)事件の発生から72年を経て、ようやく民間人犠牲者に無罪判決が下された。

 光州(クァンジュ)地裁順天支部刑事1部(キム・ジョンア裁判長)は、20日に順天支部316号刑事中法廷で開かれた麗水・順天事件の民間人犠牲者チャン・ファンボンさん(当時29、順天駅の鉄道員)の再審で、無罪を言い渡した。被告人が生存受刑者だった済州4・3事件の再審とは違い、死亡した被害者に対して、公訴棄却ではなく無罪判決を下したことで、類似の再審請求が続出するものとみられる。

 裁判所は判決文で「検察が復元した公訴事実のうち、布告令2号違反は米軍政当時宣布したもので、すでに効力を失い、内乱罪は場所、日時、行為などが特定されないなど、犯罪構成要件を満たしていない」と述べた。また「内容上、不法行為があるとしても、戒厳法が死刑を執行してから1年後に制定され、当時施行された戒厳令の効力をめぐって争いがあり、民間人を軍法会議に付すとともに公訴事実を通知しなかったことは手続き的に重大かつ明白な欠陥」と強調した。

 キム裁判長はさらに「民間人犠牲者の再審請求人3名の中で宣告に至ったのは1名のみで、2人は判決を待たずに亡くなってしまい、手続きを終了させられず残念だ。国家権力による冤罪被害については、刑事手続きを通じて個別に正すのではなく、特別法を制定して一括して解決すべきだ」と指摘した。

 キム裁判長は判決を言い渡した後、「チャンさんは左翼でも右翼でもない名誉ある鉄道公務員として、国の混乱期に黙々と勤務した。国家権力による被害をもっと早く回復してさしあげられなかったことを、低頭してお詫び申し上げる」と述べ、しばらく涙ぐんでいた。

 チャンさんらは、全羅南道順天で反乱軍を支援したという疑いで1948年11月10日に軍と警察に逮捕され、約20日後の同月30日に順天駅近くの現在は二水中学校となっている場所で銃殺された。当時、軍法会議は彼らに内乱と国権紊乱罪を適用して死刑を宣告し、執行した。

 62年後の2010年に行われた真実と和解のための過去事整理委員会による調査は、国家暴力被害者の名誉を回復する糸口を設けた。過去事整理委は「当時、軍と警察は順天地域で民間人438人を強制的に連行して殺害した。順天地域だけ2000人あまりが虐殺されたと推定される」と明らかにした。

 この調査結果を根拠として、チャンさんらの遺族たちは2011年10月に再審を請求した。順天地裁と光州高裁は再審を決定したが、検察は抗告・再抗告で対抗した。最高裁判所は昨年3月21日に「裁判所が発行した令状なしに軍と警察によって不法に逮捕・監禁されたことが認められる」として再審開始を決定した。この過程で7年5カ月がかかったため、3人の遺族のうち2人が死亡し、残る請求人は1人のみとなっていた。光州地裁順天支部は昨年4月29日に、麗水・順天事件で軍と警察に殺された民間人犠牲者チャン・ファンボンさん、シン・テスさん(当時32、農業)、イ・ギシンさん(当時22、農業)の3人の再審を開始した。
アン・グァノク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:1/21(火) 13:26
ハンギョレ新聞

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