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神経難病に新薬導入 「FAP」で金大附属病院

1/21(火) 1:43配信

北國新聞社

 石川県が全国で3番目に患者数の多い遺伝性の神経難病「家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)」について、金大附属病院は昨年秋に登場した治療薬を導入した。ノーベル賞を受けた技術を応用した新薬で、症状の緩和や改善が期待される。同病院には患者が約10人おり、これまでの治療効果を見極めながら、新薬の導入が適切かどうか検討を進めていく方針である。

 FAPの患者数は現在、国内で700~1000人とみられる。熊本、長野県が特に多く、石川県は3番目の集積地となっている。地域によって患者数に多寡がある原因は分かっていない。近年、治療薬が登場し、診断に至るケースが増えたことなどから全体的に患者数は増加傾向にある。

 金大附属病院脳神経内科長の山田正仁教授が2008年に実施した調査では、県内の患者数は亡くなった人も含め11家系27人が確認された。山田教授によると、熊本や長野は20~40代の若い世代で発症が見られるのに対し、石川は高齢でも発症するケースがあるのが特徴という。

 同病院が採用した治療薬は、アルナイラム・ジャパン(東京)が昨年9月に発売したオンパットロ(一般名パチシランナトリウム)。同社によると、同11月下旬までの使用例は全国で40人以上に上る。

 FAPは主に肝臓で作られるタンパク質トランスサイレチン(TTR)が原因のため、TTRの産生を阻害する。点滴での静脈注射で3週間に1回投与する。2006年にノーベル医学・生理学賞が贈られたタンパク質の合成を抑える「RNA干渉」と呼ばれる技術を応用した。

 FAPは1990年代に肝移植が根治的な治療法として登場したが、ドナーが少なく、体への負担が大きい上、高齢の患者は実施できないといった条件もあってハードルが高かった。新たな治療薬について、金大附属病院の山田教授は「症状が改善するというデータが出ており、治療の選択肢として期待している」と話した。

北國新聞社

最終更新:1/21(火) 1:43
北國新聞社

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