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「ヘッジあり」投信シェア高止まり、ドル・円小動きでもニーズ

1/22(水) 1:00配信

モーニングスター

 為替ヘッジ付きファンドの純資産残高シェアが高止まりしている。国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用含む、ETF除く)のうち、国際株式・債券・REIT型に占める為替ヘッジ付きファンドの残高シェアは19年末時点で10%と、過去10年の最高水準で1年前から横ばいとなっている。

 外国為替市場ではドル・円の変動が小さくなっており、TTM(三菱UFJ銀行・公表仲値)に基づく19年の月次騰落に基づくリスク(標準偏差)は4.86%と、過去10年間で17年の4.16%に次いで2番目に低くなった。同リスクは16年に14%台へ大きく上昇した後、17年以降は4~6%台の低水準で推移している。相場変動の主要な要因の一つとなる日米金利差が縮小したことなどからドル・円が動きにくくなっている。

 為替ヘッジ付きファンドのシェアは13年のアベノミクス相場入り後のドル高・円安を受けて一時6%を下回る水準に低下した後、16年の日銀によるマイナス金利導入を受けた急速な円高をきっかけにシェアを再び高めてきた。

 足元でシェアが高止まりしているのは、為替の動きが鈍い中でも円高への警戒感が根強いことがある。実際に19年の純資金流出入を見ると、為替ヘッジ付きファンド全体では435億円の流出超となったものの、モーニングスターカテゴリー別に見ると、「国際REIT・特定地域(為替ヘッジあり)」が599億円、「国際債券・欧州(為替ヘッジあり)」が488億円いずれも流入超となるなど、資産によっては流入基調となっている。

 REITは為替ヘッジコストが上昇した場合でも、コスト控除後で十分な利回りが残るとの見方から資金が向かっている可能性がある。また、19年の新設ファンドで、同年に374億円の流入超となった「ティー・ロウ・プライス 世界厳選成長株式ファンド Aコース(資産成長型・為替ヘッジあり)」など、シリーズ全体で人気化したファンドはヘッジありコースにも高水準の資金が流入するケースが見られる。

 その他、「国際債券・欧州(為替ヘッジあり)」に属する「ニッセイ・デンマーク・カバード債券ファンド(為替ヘッジあり・資産成長型)」も19年に361億円の流入超と、流入が目立った。住宅ローンなどを担保としてデンマーク国内で発行される債券を主要投資対象とする。

 当ファンドでは為替ヘッジを行う該当通貨の金利より円金利が高い場合などにヘッジコストではなく、ヘッジプレミアム(金利差相当分の収益)が発生。実際、19年12月末時点での平均最終利回りはヘッジプレミアム考慮前の1.52%にプレミアム0.46%を上乗せした1.98%となっている。

坂本浩明

最終更新:1/22(水) 1:00
モーニングスター

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