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菜食主義は現代人の「エゴ」に過ぎないのか? ヴィーガンブームを考える

1/22(水) 19:31配信

アーバン ライフ メトロ

「食肉国内最大手」社の参入が意味するもの

 ヴィーガンとは、「完全菜食主義者。動物に由来する製品を全く摂取しない」人、あるいはその食スタイル、生活スタイルのこと。英単語のベジタリアン(vegetarian、菜食主義者)を縮めた言葉が由来だといいます。

【肉そっくり?】大豆でできた唐揚げの「断面」を見る

 欧米など海外ではすでに市民権を得たスタイルのひとつで、ある調査によると、2017年に日本を訪れた外国人観光客のうち全体の4.7%に当たる約134万人がベジタリアン。東京五輪・パラリンピックを半年後に控えた東京では、外国人観光客からの需要を狙いヴィーガンメニューに対応する企業や飲食店が少しずつ増えています。

 小田急百貨店新宿店(西新宿)は、2020年1月25日(土)から始まるバレンタイン催事で、乳化剤・乳製品・白砂糖を使っていないヴィーガン対応の生チョコレートを販売予定。

 また、シロ(港区北青山)が手掛ける自然素材にこだわった人気コスメブランド「SHIRO」のカフェ(目黒区自由が丘)では、同月23日(木)からバレンタイン期間限定のヴィーガンパンケーキがお目見えする予定です。

 さらに、食肉国内最大手の日本ハム(大阪市)は、肉を使わず大豆を主原料にしたハムやソーセージ風の商品を、2020年3月に発売するとしています。大手企業のこうした動きは、健康志向の高まりなどを背景に、日本市場でも今後ヴィーガン食の盛り上がりが期待される可能性のひとつと言えるかもしれません。

「普通の食事をすればいいのに」という声

 一方で、ヴィーガンの取り組みや認知が一般に広まっているかというと、まだまだというのが現状のようです。

 食に関する支援事業を展開するフレンバシー(渋谷区代々木)が2019年12月に行ったアンケート調査によると、自身の食生活を「ヴィーガン」と答えた人は全体の2.1%。2年前の調査結果と比べると増えてはいるものの、全体に占める割合はまだごくわずかにとどまっています。

 また、ヤフー(千代田区紀尾井町)が運営するポータルサイト「Yahoo!JAPAN」でヴィーガン関連のニュース記事を検索すると、コメント欄には辛辣(しんらつ)な言葉が少なからず書き込まれています。

「(大豆製の)代替肉? 肉を食べたいなら、素直に食べればいいのに」
「野菜だけの料理なんて不自然。食事はおいしく楽しもうよ」
「揚げたての唐揚げにマヨネーズを付けて食べる幸せを知らないのは、かわいそう」

 またある記事では、日本に住むヴィーガンの米国人女性が、食品の原材料表示を明確にするよう消費者庁に嘆願書を提出した――という内容に対して、

「そこまでこだわるなら、自家栽培のものだけ食べていればいいんじゃない」
「勝手にやってるんだから他人に負担を押し付けないでほしい」

などといったコメントが並んでいます。

 ヴィーガンという存在を知らない人も、日本にはまだ少なくありません。そして知っている人にとっても、「動物や魚の肉はもちろんのこと、牛乳や卵、蜂蜜なども一切取らない」という厳格なイメージが先行することで、「特異な少数派」として敬遠されてしまう現状があるのかもしれません。

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最終更新:1/23(木) 10:32
アーバン ライフ メトロ

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