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「黒いサンドウィッチマン」鬼越トマホークは取り扱い注意の猛毒芸

1/23(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

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 現在、好感度ナンバーワンの芸人といえば、サンドウィッチマンである。体つきががっしりしていて、見た目はいかつい雰囲気だが、中身は全く正反対。テレビの画面越しにも優しさと人柄の良さが伝わってくる。

 一方、見た目と中身に全く違いがない「黒いサンドウィッチマン」の異名を取る芸人が鬼越トマホークだ。2人とも一見して「反社」そのもののような外見。しかも、その芸風は毒舌のレベルを超えた猛毒。見た目そのままのガラの悪い噛み付き芸で、いま話題沸騰中のコンビだ。

 彼らが注目されたきっかけは、持ちネタの「喧嘩芸」だ。テレビや舞台で突然コンビ同士で喧嘩を始める。共演する芸人が仲裁に入ると、坊主頭の坂井良多(34=写真左)は「うるせえな」と激高し、勢いのあまり、その芸人に悪態をつく。さらに、相方の金ちゃん(34=同右)もフォローするふりをして、さらにどぎつい毒を浴びせる。

 毒舌キャラのお笑いコンビというのは、普通は片方だけがきついことを言い、その相方はフォローに回るものだが、彼らの場合には両方が容赦なく毒を吐く。ツッコミ不在の2段構えの猛毒芸というのが斬新だ。

 2019年12月23日放送の「スッキリ」では、MCの加藤浩次に対して坂井が「おまえ、闇営業に便乗して、自分だけすっきりしてんじゃねえ」と噛み付き、金ちゃんが「加藤さんだけすっきりして後輩芸人は何も変わってないんで、あの茶番、何だったんだろうって思ってるだけだと思います」と続けた。先輩芸人でもお構いなしに本音をぶつけている。

 彼らの喧嘩芸は数年前に深夜番組で披露されて少し話題になっていたのだが、その後は忘れられていた。だが、昨年あたりから再び注目され始め、多くのバラエティー番組に出るようになっている。

 彼らはいまや会社の忘年会などの営業でも引っ張りだこの人気者だ。社員の気持ちを代弁して社長ら重役に毒を吐く芸で拍手喝采を浴びている。

 上下関係をものともしない彼らの喧嘩芸は、サラリーマンが普段は言えない本音を上司にぶつけるための格好の手段である。見た目は「反社」の2人が行っている過激な毒舌芸は、意外にも、世の中の風通しを良くする「世直し」に一役買っているのだ。

(ラリー遠田)

最終更新:1/23(木) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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