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廃校でトラフグ養殖 河内町の企業が今秋にも販売

1/23(木) 5:00配信

茨城新聞クロスアイ

河内町の廃校で地元企業が、地下水を活用したトラフグの養殖を進めている。町の地下水は塩分濃度が高く、飲用にも農業用にも適さなかったが、新たな使い道を見いだした格好だ。事業の着手から1年がたち、一部の個体は食べられる大きさに成長した。企業側は今秋をめどに販売に乗り出したい考え。支援を講じてきた町幹部も「米以外の特産品ができる」と期待を膨らませている。

15日夜、町内の結婚式場。水槽の中で体長約20センチのトラフグがのんびりと泳ぐ。2012年に廃校になった旧町立長竿小で育った。近隣の首長や議員らを招いた試食会でお披露目された。

養殖を営むのは、町内に拠点を置くトキタ(時田浩子社長)。建設会社も経営する時田武取締役によると、地域活性化と新たな名物づくりを狙いに構想した。栃木県内での先行事例を視察するなどしてノウハウを吸収したという。町も廃校を無償貸与して支援する。敷地内に閉鎖型の施設を建て、容量10トンの水槽や独自開発の循環システムで効率的な育成に取り組む。未利用だった地下水を有効に使うことで、コストを削減した。

18年12月に100匹の試験的な養殖を開始した。現在は2千匹に達する。今後は複数の水槽で4千匹を育てる方針だ。食べられるまでには1年程度の時間がかかるが、海上養殖と比べて倍の早さでの成長が期待できるといい、天候に左右されず安定して出荷できる強みがある。

今秋をめどに、飲食店を含む事業者向けに販売していく予定だ。県内では宿泊施設で養殖の実績があるものの、規模が比較的大きな商品化は県内初になるという。

試食会では、鍋や刺し身、唐揚げといったフルコースが登場した。一緒に視察するなど二人三脚で歩んできた雑賀正光町長は「ようやく皆さんにお届けできる日が来る。リーズナブルな価格で食べられるようになれば、町の特産品になる。支えていきたい」と強調。時田取締役は「養殖自体はとても順調にいっているし、味も天然物と遜色ないと思う。販路拡大やPRが鍵になりそう。トラフグで地域がにぎわえばいい」と力を込めた。

トキタではこのほか、長竿小で高級食材のキャビアが採れるチョウザメも育てている。数年内を視野に、安定的な供給の確立を目指している。 (鈴木剛史)

★トラフグ
食用のフグでは最高級に位置する。餌によって体に毒をためるとされている。専用の食べ物を与えて養殖した個体は毒を持たなくなるという。

茨城新聞社

最終更新:1/23(木) 18:06
茨城新聞クロスアイ

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