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成人の2割が罹患 “下戸の肝臓病”と呼ばれるNAFLDとは?

1/23(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 肝炎から「肝硬変」や「肝がん」に進行する原因として、「肝炎ウイルスの感染(主にB型とC型)」や「大量の飲酒」がよく知られている。しかし、この両方に該当しないから「自分は大丈夫」と安心してはいけない。飲酒の習慣がなくても食生活が偏っていたり、肥満傾向(メタボ)があると、アルコールの過剰摂取と同じように肝機能障害を起こすからだ。

 日本肝臓学会肝臓専門医で「銀座しまだ内科クリニック」(東京都)の島田昌彦院長が言う。

「大量のお酒を毎日のように飲み続けていると、最初の段階では『アルコール性脂肪肝』になります。しかし、実は日本人で多いのは、アルコールが原因ではなく、食べ過ぎによる脂肪肝の方なのです。アルコール摂取量が1日20グラム以下で飲酒習慣がないのに起こる脂肪肝を『非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD=ナッフルド)』と呼びます」

 NAFLDは成人の2割ほどいると推定されていて、うち10~20%が肝細胞が壊死して炎症や線維化が起こる重症型の「非アルコール性脂肪肝炎(NASH=ナッシュ)」とみられている。NASHを治療せずに放置していると、5~10年で5~20%が肝硬変に進行するという。

 脂肪肝では「体がだるい」「疲れやすい」などの症状が表れるが、多くの人は気づきにくい。

 NAFLDの疑いをみるサインのひとつに、健康診断(血液検査)の数値がある。

 肝細胞が壊れているかどうかは、アミノ酸を代謝する酵素の「ALT(GPT)」と「AST(GOT)」の項目に示される。アルコール性脂肪肝ではALTよりASTが高くなるが、NAFLDが疑われる場合には「ASTよりALTが高い」が目安になる。

 ただし、NAFLDの人の中にはALTもASTも正常値を示すケースもある。また、飲酒習慣がなく、メタボにも該当しないやせ型の人の脂肪肝、いわゆる“隠れ脂肪肝”もあるので注意が必要だ。そんな人の中から重症型のNASHを拾い上げる方法として「Fib―4インデックス(肝線維化スクリーニング)」という指標がある。

「Fib―4インデックスは『年齢』『ALT』『AST』『血小板数』の数値から計算して、肝線維化の進行を評価する指標です。ALTやASTが正常値でも、血小板数が18(万/マイクロリットル)以下だと肝障害が進行している可能性があります。日本肝臓学会のホームページなどでは、4項目の数値を入力すれば自動で算出して評価してくれるサイトがあります。心配な人は健診の最新データで確認してみるといいでしょう」

 NASHのリスクは「低値」「中間値」「高値」で評価される。高値では肝生検の検査が必要になるが、肝臓に針を刺して組織を採るので体の負担が大きく入院が必要になる。いまは超音波検査に似た機器で、外来で体を傷つけることなく肝臓の線維化の程度や脂肪量が調べられる「フィブロスキャン」という検査法がある。中間値以上であれば、とりあえずこの検査で肝臓の状態を調べてもらった方がいいだろう。

■単糖類や鉄分の取りすぎはダメ

 では、NAFLDを防ぐには、どのような生活改善が大切になるのか。リスクで大きいのは、主に「炭水化物(糖質)」「中性脂肪」「コレステロール」の取り過ぎだ。

「まず自分がどの栄養素の取り過ぎでメタボになっているか振り返ってみることです。その栄養素を多く含む食品を1~2割程度減らした食生活で、運動習慣の時間を増やすことです。炭水化物でも特に悪いのは『単糖類(ブドウ糖や果糖など)』の取り過ぎです。健康のために果物を多く取る人もいますが、食べても1日に握りこぶし1個分くらいの量に抑えましょう」

 それとC型肝炎やNASHの人は鉄の代謝異常を来し、肝臓に鉄分が過剰に蓄積されることがある。すると鉄と過酸化水素が結びついて大量の活性酸素が発生して、肝臓の細胞が障害され正常な働きができなくなってしまう。脂肪肝を指摘された人も鉄分を多く含む食品(レバー、ホウレンソウ、ひじき、卵など)の食べ過ぎには注意した方がいいという。

 運動習慣はカロリーを消費させる有酸素運動(ウオーキングなど)が従来勧められてきた。しかし、最近は有酸素運動だけでなく、余分な糖質の消費や基礎代謝を上げるために筋肉をつける「無酸素運動(階段の昇降、スクワットなど)」を運動習慣に取り入れることも重要という。

最終更新:1/23(木) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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