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成長率と物価上昇率見通しに隔たり-政府・日銀・IMF・民間で

1/23(木) 7:40配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 政府と日本銀行、国際通貨基金(IMF)、民間エコノミストの2020年1月時点の日本の経済成長率見通しが出そろい、20-21年度の予想に大きく差が出た。政府による経済対策の効果の折り込み度合いや波及時期の相違が影響しているようだ。

政府は20年度の実質国内総生産(GDP)を1.4%と最も高く予想しており、今回の経済対策がGDPを1ポイント程度押し上げると想定している。日銀は効果の度合いを示さず、「対策の効果を背景に20年度を中心に上振れ」との説明にとどめている。

また経済対策効果のはく落する21年度に減速を見込む政府に対し、日銀は21年度にかけて徐々に1.1%へと成長を加速すると予想。一方、IMFやブルームバーグが集計した民間エコノミスト24人の予想中央値は、20-21年にかけて、政府や日銀に比べて慎重な見通しとなった。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は、政府は自ら策定した経済対策について「責任を持って成長の押し上げに寄与させるため、高めの数字が出てくるのは当たり前」と指摘。一方、2%の物価安定目標を掲げる日銀は、「物価がじわりじわりと上がっていくシナリオの下で動いているため、GDPもそれに沿う動きとなっている」と説明した。

日本総研の村瀬拓人副主任研究員は、「政府は経済対策を打った以上は景気が良くなる見通しを掲げているものの、民間は人手不足で公共事業も工期の長期化とか未消化が発生するのではないかとみている」と述べた。また日銀の物価見通しも「追加緩和しなくても物価は目標に向かっていくので政策は動きませんというロジック」と分析、それぞれの立場でバイアスのかかった政府や日銀の見通しに比べて、IMFの見通しは「中立的」になっていると判断している。

経済対策の効果については多くのエコノミストが疑問を投げ掛けている。三菱UFJリサーチの小林氏は、公共工事を担う建設業界の工事の処理能力は年実質27兆円程度と限りがあり、安倍政権下の財政政策は予算を消化しきれず、翌年に繰り越すパターンが続いていると指摘。このため、「経済対策は景気を下支えはするが、押し上げ効果は限定的」との見方を示した。

(c)2020 Bloomberg L.P.

Emi Urabe

最終更新:1/23(木) 7:40
Bloomberg

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