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大人は重症化の可能性も 水ぼうそうの免疫ない人はワクチン接種を!

1/24(金) 11:40配信

Medical Note

「水ぼうそう」は顔も含めて全身に水ぶくれができるウイルス感染症で、正式名称を「水痘(すいとう)」といいます。かつて、日本ではありふれた感染症で、お友達が水ぼうそうになると、まわりの子どもたちはみんな、数日たってから発症していたものです。水ぼうそうには、ワクチンがあります。2014年に法律に基づき公費で実施する「定期接種」になってからは、ほとんどの子どもがワクチンを接種するようになり、水ぼうそうにかかる小さい子どもは激減しました。ですが、定期接種になった時に対象年齢から外れていたため、いつ水ぼうそうを発症してもおかしくない子どもがまだたくさんいます。水ぼうそうは、赤ちゃんや大人が感染すると重症になることがあります。決してあなどってはいけない「水ぼうそう」を、今回は取り上げたいと思います。【藤沢市民病院臨床検査科・清水博之/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇小学校で席の離れた級友から感染

2008年生まれのAくんが小学校1年生だったころのことです。ある日、同じクラスのBくんが発熱し、早退。そして次の日からお休みをしました。Bくんはその後、発疹が出てきて近くの小児科で「水ぼうそう」と診断されました。Aくんのお母さんは、「そういえば水ぼうそうのワクチン、任意接種だったから打たせなかったなあ……。でも、Bくんとは席も離れているし、発疹が出たのはお休みしていたときだから、きっと大丈夫」と思っていました。

しかし、Bくんが発症してから約2週間後、今度はAくんの顔やからだに水ぶくれが現れました。驚いたお母さんは、小児科を受診させたところ、「水ぼうそう」と診断されました。そして、お医者さんから「感染力がとても強いので、すべての発疹がかさぶたになるまでは学校はお休みしてください」と言われました。

◇驚異的な感染力

水ぼうそうは、「水痘・帯状疱疹ウイルス」が感染して起こります。感染してから発疹が出るまで、およそ10~21日間かかります。ウイルスはまず喉や目からからだの中に入ってきます。その後、リンパ節で増殖して、全身にまわって最終的に皮膚に発疹をつくります。この発疹は最初から水ぶくれになるわけではありません。はじめは「丘疹」という1~4mmほどの赤く盛り上がった発疹ですが、徐々に水ぶくれになります。そして乾燥してかさぶたになり自然に剥がれます。このような発疹が最初は頭皮に、そしてからだの中心に、そして手足へと、次々に全身くまなく現れるのが水ぼうそうの特徴です。

水ぼうそうの恐ろしさの1つは、その感染力です。ある感染症を発症した人が、治るまでに何人にうつしてしまうかを調べた数字を「基本再生産数」と言います。インフルエンザは2~3です。つまりインフルエンザを発症した人は、周囲にいた2~3人に感染させてしまいます。水ぼうそうの基本再生産数は、なんと8~10と言われています。インフルエンザの約4倍もの感染力があるわけです。

なぜこれほどまでに感染力が強いのでしょうか? その理由として「空気感染」することが挙げられます。例えばインフルエンザの感染経路は「飛沫(ひまつ)感染」といって、感染している人のせきやくしゃみなどに含まれるウイルスによって感染します。つまり、ある程度近くにいる人だけが感染します。ところが、水ぼうそうのウイルスはとても軽くて小さいので、いつまでも空気中にふわふわと浮いています。ですから、同じ空間にいると、離れていても感染してしまう可能性があるわけです。Aくんは同じクラスの席の離れた子から感染していることからも、その感染力の強さが分かるかと思います。

感染力の強さにはもう1つ理由があります。それは発症する2日前から感染力があるということです。そしてすべての発疹がかさぶたになるまで続きます。水ぼうそうは発疹が出てきて初めて診断されます。水ぼうそうと分かったときには、すでにその2日前から周りの人に感染させているわけです。

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最終更新:1/24(金) 11:40
Medical Note

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