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「産廃処理が軽んじられている」 きっかけは解体業者の思わぬ言葉 悔しさ原点に事業拡大

1/24(金) 6:16配信

沖縄タイムス

【中小企業のチカラ 経営革新の現場】街クリーン(上)

 総合環境サービス業の街クリーン(南城市)は産業廃棄物の処理や解体工事、肥料生産、農業と幅広い事業を手掛ける。赤嶺太介社長(43)が父から会社を継いだのは2000年。当時は、産廃処理と解体工事で出るコンクリート片を業者から引き取り、道路の路盤材に加工するリサイクルが主だったが、この20年で事業は一気に拡大した。

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 ◆分別せずに排出

 最初のきっかけは会社を継いで数年がたったころ耳にした、解体業者からの思わぬ言葉だった。「街クリーンなら多少、異物が入っていても大丈夫。分別しなくても引き取ってくれる」

 解体工事では、コンクリ片や木くず、繊維くず、金属片などが交ざる。法律では、建設工事の元受け業者は各廃棄物を分別する責任があり、下請けとなる解体業者も分別を順守しなければならない。だが、当時は分別が行き届いていないと感じながらも回収し、自社で分別していた。

 解体業者が本来すべき作業を意図的に怠っているのを知り「産廃処理が軽んじられている」と感じた。同時に、自身の会社も軽視されているという悔しさが込み上げた。

 「黙々と分別作業をしている社員のことを考えると、このまま引き取りを続けるわけにはいかない」と社内に解体工事部門を立ち上げた。自ら原料となるコンクリ片の確保に乗り出した。解体工事経験者に協力を依頼して、不慣れな解体作業を社員と一から学びノウハウを積み上げた。

 ◆再資源化社会へ

 これをきっかけにさらに会社を成長させるため、新たな事業にも着手していった。

 集落の清掃作業などで出された草木をチップ化して堆肥メーカーに販売していたが、自ら堆肥を作ろうと決意。5年前に糸満市内の施設を譲り受け、食品メーカーから回収した残さと混ぜ合わせて生産を始めた。「一つ一つ目の前の課題に向き合う中で、自然と今ある事業と親和性のある事業が生まれた」と手応えを実感した。

 堆肥を有効活用するため、3年前には農業生産法人「八風畑」を設立。畑違いの農業分野への挑戦だったが、社員には事業の可能性を説いた。南城市と名護市の農地でミカンやサトウキビを栽培し、手探りながらも徐々に出荷できる体制になってきた。

 昨年から加工食品メーカーから残さを引き取って堆肥を作り、野菜を生産する「食品リサイクルループ」の取り組みも始めた。

 将来的には県内スーパーにも働き掛けて枠組みを広げる構想を練る。「県内の食品リサイクルはまだ進んでいない。再資源化の流れをつくりたい」。悔しさをばねに、挑戦は続く。(政経部・仲田佳史)

[企業メモ]

 土木会社を経営していた父の赤嶺和雄氏(77)が1989年に設立。94年から産業廃棄物の処理業を開始。従業員はパートを含めて130人。2019年3月期決算のグループ売上高は約21億円。

<街クリーン(中)>に続く

最終更新:1/25(土) 8:40
沖縄タイムス

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