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【磐城センバツ決定】さらば行けそして勝て(1月25日)

1/25(土) 9:07配信

福島民報

 磐城高の第九十二回選抜高校野球大会出場が二十四日、決まった。二十一世紀枠で選ばれた。一九七四(昭和四十九)年の第四十六回大会以来四十六年ぶりで、春夏合わせれば十度目、一九九五(平成七)年夏以来二十五年ぶりに甲子園の土を踏む。

 東日本大震災の被災地いわきは、昨年十月の台風19号と二週間後の大雨でも被害を受けた。復興に向けて立ち上がる市民の希望の光となるように、甲子園での磐城ナインの活躍を願う。

 二十一世紀枠で福島県の高校が選ばれたのは、二〇〇一年の安積、二〇一三年のいわき海星に次いで三校目だ。学業と部活動の両立、自然災害による困難な環境の克服、活動の地域に与える好影響などの多くの面で高く評価された。

 選出の参考となる秋季東北地区高校野球大会は、台風19号の北上と重なった。十月十一日の初戦に勝った磐城は、日程変更で会場の岩手県から一度いわきに戻り、惨状を目の当たりにした。出場継続を決めた選手は結束する。「いわきに元気を届けよう」。十四日の二回戦に勝利し、ベスト8の成績を残した。

 古里は台風の爪痕が深く残っていた。大会を控えたサッカー部とラグビー部は浸水でグラウンドが使えない。野球場を整備して提供し、ナインは被災した家屋で後片付けなどのボランティアに励んだ。懸命の活動は住民に元気をもたらした。逆に、住民から激励の言葉を掛けられるときもあった。選手は人のつながりや支え合いの大切さを実感しただろう。

 野球部は昨春から月二回程度、学校近くの平一小を訪問し、学童保育の児童と交流している。地域貢献や野球の普及促進を目指して始めた。野球に加え、鬼ごっこなどの遊びを取り入れ、スポーツの楽しさを伝えた。時には勉強も教える。コミュニケーション能力が向上し、選手の精神面の成長にもつながった。

 四半世紀ぶりの甲子園に地元の期待は高まっている。選手は「チーム全員の技術を高め、大舞台で戦いたい」と力を込める。気負うことなく、培ってきた全てを、自信を持って発揮してほしい。

 磐城は、一九七一年夏の全国大会で準優勝という輝かしい実績を持つ。当時、卒業生で詩人の草野心平はスタンドで応援し、全国の強豪に立ち向かう後輩に激励の詩を贈った。小柄な選手が冷静、果敢に、臆せずプレーする姿をたたえ、最後に結んだ。「さらば行け そして勝てよ」。センバツに挑むナインに、同じ言葉を贈る。(鈴木 俊哉)

最終更新:1/25(土) 9:07
福島民報

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