ここから本文です

赤字覚悟でイベリコ豚麺 飲食店に「二毛作営業」が増えるナゼ

1/25(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【成功のヒミツ失敗しないコツ】

 東京・門前仲町でふとランチが食べたくなって街角を見渡すと、おしゃれな外観のスペインバルを見つけた。ランチの看板が出ており、たまにはパエリアもいいかなと思って近づくと「イベリコラーメン」(税込み900円)と書いてある。スペインバルなのにラーメン?

 興味がわいて店内に足を踏み入れると、カフェみたいな落ち着いた雰囲気だ。「ハヤシライス」(同1200円)もあるが、「せっかくだから」と注文したのは「イベリコチャーシュー麺」(同1200円)。待つこと数分で出てきたチャーシュー麺のスープは透き通っていてあっさり。厚切りのチャーシューを食べると「これがイベリコ豚か!」と納得させられるような独特の甘い脂が口の中で溶け出した。

「当店は夜の看板メニューに『イベリコ豚しゃぶしゃぶ』のコースを用意しており、その“締め”として開発したラーメンが好評となり、ランチメニューとなりました。ベースのスープはイベリコ豚の豚骨を柱に鶏がらなどを合わせています。イベリコ豚は脂の融点が低いため、必要以上に脂が溶け出さないように工夫しました。イベリコ豚の滋味深さを表現することを最優先したことで、ワインとの相性もいいラーメンになっていると自負しております」(「イベリコ・バル門仲」の伊藤寛和店長)

赤字覚悟でも提供する理由は…

 最近の飲食店は「二毛作」が浸透しつつある。それぞれの時間帯でターゲットを変えることで、店舗を有効活用するためだ。有名なのはサントリーとUCCが共同出資して創業した「プロント」か。昼間はコーヒーショップ、夜はショットバーと業態を変えることで異なる客層をつかんで業績を伸ばしてきた。

 他にもイタリアン×カレー、デザート専門店×フレンチ、ちゃんぽん屋×立ち飲みなど例を挙げればキリがない。ただ、これほどおいしいラーメンが提供できるなら「イベリコラーメン」の専門店をオープンした方が手っ取り早いような気もする。

「実はランチのラーメンは完全なサービス品なのです。チャーシューのイベリコ豚はフライパンで表面を香ばしく焼き固めてから2~3時間煮込むため、時間も手間もかかります。赤字覚悟で限定20~30食ほどで提供させていただいております。まずイベリコラーメンのおいしさを知っていただくことで、夜の『イベリコ豚しゃぶしゃぶ』に関心を持ってもらうことが我々の狙いです。系列グループがスペインワインやスペイン食材を輸入している専門商社なので、最終的に何らかの形で還元されるかもしれないという考えもあります」(前出の伊藤店長)

 イベリコ・バル門仲はフランチャイズパッケージのモデル店舗だといい、現在FC店を募集中だという。たしかにランチのラーメンを通じてイベリコ豚の“滋味深さ”が広く知れ渡れば、応募する人も増えそうだ。

 (取材・文=岩瀬耕太郎/日刊ゲンダイ)

最終更新:1/25(土) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ