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守備を貫いたからこそ――大敗にも徳島市立の選手が笑顔を見せた理由

1/25(土) 11:25配信

高校サッカードットコム

 最後の大舞台から去る悔しさと、全力を出し切った感触。それでも適わなかった相手との実力差。試合を終え、ロッカールームから取材エリアへ出てきた徳島市立の3年生たちには、様々な感情が入り混じっていた。

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「試合中に『すげぇ』と思いながらやっていました」と話したのはキャプテンのMF阿部夏己だ。「いつもなら2~3人の連動した守備でボールを奪えるところが、奪えない。それどころか、さらにギアを上げてくる。ドリブルを警戒すれば、パスもある。自分たちの守備のバリエーションを、相手の攻撃のバリエーションに上回れました」と試合を振り返った。

今年のチームは“近年で最も弱い”と言われるところからのスタートだった。タレントがいた去年の3年生たちが卒業し、自分たちはどこで勝負するのか?その問題に対して、河野博幸監督と選手たちが選んだのは守備力の強化だった。守備に人数を割いて自陣を固めて、そこからカウンターを狙う堅守速攻スタイル。ハイボールや飛び出しが魅力の大型GK中川真や、控えながら高い実力を持つPKストッパーのGK米田世波の存在も「失点しなければ負けない」という方向性の後押しとなった。今大会も2回戦は尚志とスコアレスでPK戦に突入し、終盤に投入された米田がPK戦で相手のキック2本を止めて初戦を突破。3回戦もセットプレーから奪ったゴールを守りきって、筑陽学園に勝利している。

自分たちのスタイルを貫きながら勝ち進んで、迎えた準々決勝。攻撃力の高い静岡学園に対して守備時は5バックで自陣を守ろうとしたが、4失点を奪われて敗北。さらに「攻撃の強さはわかっていたけれど、守備もすごくて」(阿部)というように、強烈な個を誇る松村でさえ自陣へ戻って守備に参加してから攻撃へ出ていく献身性にも、驚きを隠せなかった。

ボランチとして中盤の底を支えたDF川人太陽も、同じように完敗を認めている。「サイドが止められなかった。縦に仕掛けてくると分かっていても止められない。あのレベルの選手とはやったことがなかった」と静かに語った。
守備自慢のチームが失点を重ねる中、なんとか反撃にも出ようとした。前半の3-4-2-1の布陣から後半途中で3-4-1-2に変更し、ボランチだった川人を2トップの一角に配置して前で起点を作ろうとする。さらに終盤は4-4-2としてゴールを目指したが、敵陣を打ち破ることはできない。シュート総数は2本、後半は0本だった。

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最終更新:1/25(土) 11:25
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