ここから本文です

【センバツ】佐々木誠監督“半端ない”鹿児島城西でプロタイトルホルダー初の聖地へ

1/25(土) 6:00配信

スポーツ報知

 ダイエー、西武などで活躍した佐々木誠監督(54)が率いる鹿児島城西(鹿児島)が春夏通じて初出場を決めた。元プロの高校監督就任が再び認められた1984年以降では初の個人タイトル獲得者で春夏通じて初の甲子園出場に導いたのもNPB出身者では初となった。また、母校の指揮官に転身して3年目の鍛治舎巧監督(68)が率いる県岐阜商は、17日に亡くなったOBで元中日監督の高木守道氏(享年78)に手向ける80年ぶりの日本一を目指す。

 歓喜の瞬間が訪れると、佐々木監督の目頭は熱くなった。就任3年目で春夏通じて初出場が決定。強い信頼関係を象徴するかのように、選手たちから「マコト」コールを浴びながら輪の中心に向かうと、大きな体を教え子たちに預け、5度宙に舞った。「涙腺が緩んでいる状態。うれしいです。一戦一戦戦いながら強くなって成長する姿を思い浮かべた時によくここまで頑張れたなと思います」と、感慨深い表情を見せた。

 指揮官の挑戦が新たな歴史を作った。現役時代にダイエー、西武で首位打者(92年)、2度の盗塁王(92、94年)などを獲得。引退後もプロでコーチや社会人野球の監督を務めた輝かしい経歴を持つが「自分の過去には興味はない。目の前のこと、先のことを考えています」。プロのコーチ時代に学生野球の選手育成の重要性を実感。学生野球資格を回復し、18年1月に同校からの依頼を受け、高校野球監督への挑戦を決めた。

 指導方針も一線を画す。テーマは「野球を好きで終われる環境作り」。練習では投手には「球速5キロアップ、9イニング投げるスタミナ作り」、野手には「強いスイング、遠くに飛ばす」などのテーマを与え、クリアするために必要な練習メニューは選手に一任させた。「指示待ち人間ではなく、自分で考える力をつけないと」と主体性を重んじた。

 さらに選手の髪形は自由で練習中には音楽が流れる。休憩時間には指揮官が焼き芋を配ることもある。「大人のエゴで物事を言ってしまうと子供たちとの間に空洞が生まれる。目線を同じにして。困ったり、悩んだ時に僕らは手を貸す」。時には反骨心を刺激する練習も織り交ぜて精神面も鍛え、成長を促した。

 甲子園では八方(やかた)悠介、前野将輝(ともに2年)の2本柱を中心に守りの堅い野球で躍進を目指す。同校のサッカー部は08年度の全国高校選手権で準優勝。その時のエースで現在日本代表FW大迫勇也は敗れた相手校から「大迫、半端ないって!」などと号泣されて話題となったが、古市龍輝主将(2年)は「次は城西半端ないと野球部のワードで言われるように頑張りたい」と宣言。指揮官も「(選手は)ワクワク状態でいると思うのでワクワクしながらいきます」。高校野球界に新たな旋風を巻き起こす。(後藤 亮太)

 ▼元プロの甲子園出場監督 教職10年間勤務(現在2年間)のプロ野球経験者が、アマ資格を取得して高校野球の監督になれるようになった84年以降(13年からの研修制度による学生野球資格回復者含む)、元プロ(独立リーグ経験者含む)の甲子園出場監督は、佐々木誠監督(鹿児島城西)が14人目だ。それ以前にアマ球界に復帰し、甲子園に出た主な元プロの監督には、池田(徳島)で春夏通算14度出場し、優勝3度の蔦文也監督(元東急投手)。津久見(大分)を率いて14度出場し、2度優勝の小嶋仁八郎監督(元西日本投手)。滝川中、兵庫工(兵庫)で計3度出場の前川八郎監督(元巨人投手)。松竹、阪神などで通算178勝、明星(大阪)で3度出場し、63年夏優勝の真田重蔵監督らがいる。

 ◆佐々木 誠(ささき・まこと)1965年10月3日、岡山県生まれ。54歳。水島工を経て、83年ドラフト6位で南海(現ソフトバンク)入団。西武、阪神、米独立リーグなどでもプレーし、NPB通算1581試合で打率2割7分7厘、170本塁打、638打点。首位打者1度、盗塁王2度、ベストナイン6度、ゴールデン・グラブ賞を4度受賞。現役引退後はダイエーやオリックスのコーチを歴任し、社会人のセガサミー、NTT西日本では監督を務めた。181センチ、90キロ。左投左打。

報知新聞社

最終更新:2/9(日) 0:10
スポーツ報知

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事