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宮沢氷魚「偏見の目で見られた時期あった」LGBTQ題材作に込めた思い

1/26(日) 8:01配信

マイナビニュース

『MEN'S NON-NO』専属モデルであり、2017年以降は俳優としても活動している宮沢氷魚(25)。昨年は、杏主演の連続ドラマ『偽装不倫』(日本テレビ系)で相手役を務め、俳優としての知名度を一気に上げた。そんな宮沢が映画初主演を務める『his』が1月24日に公開された。

【写真】『偽装不倫』で共演した杏と宮沢氷魚

『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』(19)の今泉力哉監督が、8年ぶりに再会したかつて恋人同士だったふたりの青年の姿を軸に描く人間ドラマだ。宮沢は、自分がゲイだと周囲に隠して、ひとり田舎に移り住んだ青年・井川迅(しゅん)を演じている。

「生きづらさ」を抱える迅を演じるにあたり、自らもクォーターというマイノリティの立場から、共感を覚えたという宮沢が、演じた迅のことだけでなく、自分自身について語った。さらに、俳優として強い影響を受けた先輩俳優とのエピソードを明かし、これからやってみたいこととして、意外な願望も告白した。

■迅の生きづらさには少なからず共感した

――初主演映画です。どう臨みましたか?

最初はプレッシャーがありました。作品の顔ですし、何よりもLGBTQを題材にした映画ということで、センシティブなテーマでもあるので、責任を強く感じました。でもプレッシャーがありつつも、こうした作品に出られる喜びや楽しみを大きく感じて、前向きに作品に入りました。

僕はもともとLGBTQの友達もいるし、そうした友達や同じような境遇にいる人たちが住みやすい世の中になってくれればと思っていました。いまだセンシティブな問題ですけど、ゆくゆくはセンシティブだと思わない環境になってくれればという思いで挑みました。

――お友達にLGBTQの方がいるとのことですが、今回の作品に携わったことで改めて感じたことはありましたか?

僕も4分の1アメリカの血が入っていたりして、偏見の目で見られた時期があったし、それで辛いと思っていました。でも自分の経験してきた苦しみや居場所のなさといったものでは計り知れないくらいの生きづらさがあるのだと、迅を通じて感じました。

――迅はもっと生きづらいと感じたとはいえ、宮沢さん自身、偏見の目で見られることは少なからずあったと。

そうですね。なので、そうした部分では共感できます。でも迅には、誰にも言えない辛さとか、自分にウソをつく辛さがある。自分にウソをつくって一番辛いことだと思うんです。迅も(かつての恋人)渚(藤原季節)もそれを抱えていたので、大変だったなと本当に思いました。

――宮沢さんも偏見に苦しんだとのことですが、田舎に移り住んだ迅に寄り添ってくれた緒方さん(鈴木慶一)のように、人から認めてもらったり肯定してもらえたといった出来事はありますか?

ひとりの人物というわけではないのですが。僕はインターナショナルスクールに通っていたので、みんながみんな違うんです。国も言語も。僕にとってはそこが本当にオアシスのようでした。みんなもそれぞれに、色んな目に遭っていて、通学中や電車に乗っていて何かを言われたりしてきています。そういうことって経験してきた人にしか分からないことも多いですし、そうした仲間は今もすごく仲が良いです。

――逆に考えると、そこがオアシスだったということは、外ではかなりの差があったということですよね。

そうですね。今でも正直、感じます。でも日本も徐々に変わってくるだろうし、変わってほしいです。結局、教育がすべてだと思います。

■俳優として影響を受けた人、これからやってみたいこと。

――迅は接してくれた緒方さんから影響を受けます。俳優としての宮沢さんが、強い影響を受けた人物はいますか?

綾野剛さんですね。初めてのドラマ『コウノドリ』(第2シリーズ・17年TBS系)でご一緒したのですが、とにかく緊張していて、そこに立っているだけでもいっぱいいっぱいな状態でした。全く余裕がなくて。そのとき、ずっと剛さんが気にかけてくださったんです。吉田羊さんとか、星野源さんとか大森南朋さんとか、坂口健太郎くんとか。すごいキャストばかりで、本当に緊張していたんです。でも剛さんが、「いいよ、ミスして。みんなミスするんだから。何回でも付き合うから」って。何度も言ってくださったんです。

そのひと言ひと言が、いまでもすごく残っています。やっぱりその場でミスするのが怖くて、萎縮して自分の納得いくものができないと、いいものはできないので。剛さんが「いいんだよ」と言ってくださったことで、すごく楽になれました。

――先輩とのステキなエピソードですね。今、坂口さんのお名前も出ましたが、坂口さんも『MEN'S NON-NO』の元専属モデルです。現役の方でも元でも、メンズノンノ出身の俳優さんは多いですが、意識はしますか?

『MEN'S NON-NO』の先輩方は、僕にとって一番近い存在なので、彼らの背中を見て頑張る部分はあります。仲間でもあり、ライバルでもあり。何か不思議な、兄弟に近い感覚ですかね。兄弟って負けたくないけど、近くにいて安心するし、尊敬もしている存在。そういう兄弟に近い存在なのかなと思うときがありますね。

――これから挑戦したいことを教えてもらえますか?

長期的な目標でいうと、いつか海外でお仕事をしたいです。今年に関しては、オリンピックの年なので、どこかで英語を使う機会があればなと思います。スポーツもカルチャーとしての影響力もあるし、人の感性を高めてくれるものだと思います。今年はスポーツの1年だけでなく、芸術の年にもなるような気がしているので、その波にしっかり乗っていきたいです。

――モデル、俳優業以外のことにも機会があればチャレンジしたいということですか?

取材をしてみたいんです。する側。普段は取材される側なので、どういう質問をしたら答えやすいかなとか、いい質問ができるんじゃないかなと思って。準備期間があれば、ですけど。アスリートの方は英語を話す人も多いし、通訳を介さずに直接お話ができるメリットってたくさんあると思うんです。アスリート以外にも、ハリウッドの俳優さんも、日本に来る機会があるので、お話をしてみたいです。

――そうした宮沢さんを見るのも楽しみです。最後に、この作品を通じて、感化されたことがあれば教えてください。

人はひとりでは生きていけないと改めて感じました。迅も、ひとりの力で生きていくという覚悟を決めて、田舎で生活を始めるわけですが、やっぱり近くに住む緒方さんだったり、村の方々の力なしでは生きていけない。迅や渚だけでなく、(渚が女性の玲奈と結婚してできた)空ちゃん(外村紗玖良)のお母さんの玲奈さん(松本若菜)も、玲奈さんのお母さん(中村久美)の力や渚の力なしでは空ちゃんを育てることができない。やっぱり人はひとりでは生きていけないと感じました。


■プロフィール

宮沢氷魚(みやざわ・ひお)

1994年4月24日生まれ。アメリカ・カリフォルニア州出身。身長184センチ。2015年開催の第30回「MEN'S NON-NO」専属オーディションでグランプリを獲得し、芸能界入り。2017年のTBS系『コウノドリ』にレギュラー出演し、俳優デビューも飾った。以降も、『トドメの接吻』(18・日本テレビ系)、『僕の初恋をキミに捧ぐ』(19・テレビ朝日系)、『偽装不倫』(19・日本テレビ系)などのドラマに出演。2020年は、6月19日公開の映画『騙し絵の牙』を控えている。

望月ふみ

最終更新:1/26(日) 8:01
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