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<磐城・センバツへの軌跡>Play Hard/上 夏の福島大会 初戦敗退に危機感 /福島

1/26(日) 11:48配信

センバツLIVE!

 ◇「勝ちきる」意識徹底 育まれた自信、東北大会の躍進に

 緊迫した状況でも、チームは冷静だった。昨年9月24日、秋季東北大会への出場を懸けた東日大昌平戦。4―3と1点差まで詰め寄られ、最終回を迎えた。「ここで負けたらこれまでと同じ。自分たちなら勝ちきれる」。ベンチで声を掛け合い、ナインは守備に散った。

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 この試合、磐城は市毛雄大選手(2年)の三塁打などで二回に一挙3点を取り、リードした。しかし終盤、強力な相手打線に反撃を許していた。

 最終回のマウンドに登ったエース、沖政宗投手(2年)が気迫のこもった投球で相手打線を3者凡退に仕留めた。守備陣も堅実にボールをさばいた。12年ぶりの東北大会出場を決めると、沖投手の雄たけびがグラウンドに響いた。

 「勝ちきる」。これがチームのテーマだ。出発点は昨年夏の福島大会初戦。白河旭を相手に6点を追う展開ながら、最終回には1点差まで追い上げた。逆転の好機も作ったが、一歩届かなかった。夏の大会は2016年、17年がベスト8、18年も3回戦まで進出した。いずれも最後は1、2点差で敗れていた。

 新チームが始動した昨年7月29日。木村保監督は選手たちを前に「ここ数年の夏の大会は粘って点差を詰めて良い試合をするが、勝ちきれていない」と課題を指摘した。

 監督が去った後、選手たちは腹を割って話し合った。「目標だけ口にしていても仕方がない」。目標達成のために何が必要か。

 夏の大会でベンチ入りした2年生は7人。このうち試合に出場した4人は初戦敗退に危機感を募らせていた。清水真岳選手(2年)は「3年生と同じ気持ちで戦っていたし、同じくらい悔しかった」と話す。危機感を4人だけでなく、全員で共有すること。そして何よりも「勝ちきること」。新チームの方針が固まった。

 キャッチボールなどの基礎的な練習も、試合を想定して全力で取り組むようになった。レギュラー組と控え組が交互に出場する練習試合では、連勝記録に挑戦した。誰が試合に出ても、全員が「粘って勝ちきる」姿勢を徹底するためだ。夏休みは県内外のチームと全25試合を戦い、17勝5敗3引き分け。途中、10連勝を記録した。

 1点差に泣いた夏の初戦から2カ月。新チームでの意識改革が実を結び、秋季県大会で勝ちきった。育まれた自信が、東北大会の躍進を支えた。最後まで諦めない戦いぶりに木村監督も「夏を越えて、選手たちは一皮むけて成長した。よく戦い抜いてくれた」と褒めたたえた。

      ◇

 46年ぶりのセンバツ出場を決めた磐城。新チーム発足から苦難や葛藤を乗り越え成長し21世紀枠で選出されるまでの軌跡を追う。(この企画は磯貝映奈が担当します)

最終更新:1/28(火) 12:59
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