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【ラグビー】元日本代表主将が語るシックス・ネーションズ 「土、空、お酒も。色の違う国同士がぶつかる熱さを感じて」

1/26(日) 13:34配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 欧州、伝統、重厚感。いよいよ2月1日にシックス・ネーションズが開幕する。ラグビーリパブリックでは、欧州6カ国が繰り広げるこのマッチ・シリーズを、日本ラグビー界を代表する5人に思い入れや見どころなどを聞いていく短期連載。第3回目は、元日本代表の菊谷崇氏。自身の経験から、選手目線、指導者目線、そしてファン目線で今大会を熱く展望してくれた。


■「固定」の面白み

ーー菊谷さんは、日本代表としてイタリアなどとの対戦も経験していますね。シックス・ネーションズの国々に感じる特殊性はありますか。

菊谷崇(以下・菊谷)「ワールドカップなどで見る彼らと、シックス・ネーションズでの戦いでは、たとえ同じ組み合わせでも大きく違うと思いますね」

ーー同じカードでも?

菊谷「特にワールドカップのプール戦で当たる場合って、要は勝ち点じゃないですか。目の前の相手と戦いながらも、実は全体で勝ち点競争をしている。そこが面白いのだけれど、シックス・ネーションズで見られる対決感みたいなものには、独特の凄みがありますよね。その週は、目の前の敵がすべて」

ーースーパーラグビーなどとは全然違う感じはします。

菊谷「ですよね。スーパーラグビーのように長期にわたって20試合近くやるプロクラブのシーズンなら、『この試合は落とせない』『この流れなら、まあ勝ち点は押さえておきたい』という考え方になるでしょう。もともとチームの置かれたポジションというものもある」

ーーシックス・ネーションズは、どう違うのでしょう。

菊谷「国代表チーム同士の戦いです。世界で最初に対戦したスコットランドとイングランドの試合から連なる、各対戦ごとの歴史がある。トライはもちろん、PG(ペナルティゴール)の3点の重みが感じられるような試合が続きます」

ーーディフェンスが固くて、なかなかトライが取れないから。

菊谷「そうですね。それと、セットプレーが非常に大切にされる。スクラム、モールも重要になる。日本の場合はPNC(パシフィック・ネーションズカップ)がありますよね。近年ほどティア1との対戦がなかった時代は、日本、フィジー、サモアといった国々と毎年対戦する機会は、今以上に貴重だった。互いの特徴も掴めていて、良いライバル関係がありました」


■お酒でも張り合う?ファンも熱い。

ーーシックス・ネーションズは7週という短期で行われますね。

菊谷「国代表同士、昇降格もなく決まった6カ国で毎年行われる。総当たりですが、ホーム開催は隔年。そういった条件も面白い。彼らは隣国同士なので、歴史を踏まえた国と国の戦いという側面もあります。ファンも熱くなる。今年も優勝候補筆頭のイングランドは、各国選手が特に闘争心を燃やす相手でもあります。連綿と続く国民感情のようなものが、お互いにあるのだと思いますね」

ーーお国柄ですね。

菊谷「高校日本代表のアイルランド遠征(コーチとして同行)では貴重な体験をしました。1日フリーになったので、一人で街をぶらぶらしていたのですが、訪れたウィスキー博物館で現地の方が色々教えてくれるんです」

ーーアイルランドのウィスキー博物館。

菊谷「あなたたち、ウィスキーといえばスコッチを思い浮かべる人が多いかもしれないが、実はアイリッシュ・ウィスキーが一番なんだと。だいたい、アイルランド人は酒に対する思い入れが違うんだ、禁酒令が出た時代には、工業用アルコールを飲んで死者がたくさん出た。そのくらい自分たちは酒を愛してるんだと、旅行者の私に訴えてくる(笑)」

ーーラグビーだけではなくて、いろんな面で対抗意識が強い。

菊谷「そうなんです。ラグビー、スポーツだけの話ではなく、文化と文化のぶつかり合いなんですね」


■世界のリスタート

ーー菊谷さんの注目チームはありますか。

菊谷「あえていうならば、ワールドカップ準優勝のイングランドでしょうか。決勝で敗れているから達成感こそないでしょうけれど、それだけに疲れはあるはず。モチベーションがどこまで保てているのか。エディーさん(ジョーンズ。イングランド代表ヘッドコーチ、元日本代表ヘッドコーチ)が、残りの2年でどんなチームを作るのか。私はサラセンズ(イングランド)でプレーした経験もがあるので、イングランドは知った顔や名前が多くて親しみは湧きますね。一般的にはヒール役ですけれどね」

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