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社会派ドラマ乱立で視聴者に疲労感? 湧き上がるトレンディドラマ待望論

1/27(月) 8:10配信

オリコン

 今期ドラマは医療ものが6本。この大混戦に賛否の声が上がっているが、近年のドラマシーンを振り返ると、刑事ドラマや医療ドラマが年々増加傾向にある。さらに、そうしたドラマで難役を演じる若手俳優が“実力派”ともてはやされる風潮も感じられる。こうした流れのなかのシリアスな社会派ドラマの乱立は、視聴者の“視聴疲れ”を呼んでおり、かつてのトレンディドラマのような、民放が得意としていたお気楽に楽しめるライトなドラマへの待望論も出始めているようだ。

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■60~70年代は社会派ドラマが台頭、“良質なドラマ”の価値基準は年代により変化

 近年のドラマシーンを振り返ると、社会性のある重いテーマを取り上げ、その映像からストーリー、演出まで重厚に作り上げる社会派ドラマが評価を受け、多くの視聴者から好まれる傾向がある。いわゆる“良質なドラマ”というものだ。それ自体は決して悪いことではない。

 過去の人気ドラマをごく簡単に振り返っていくと、かつては60~70年代に松本清張氏の『点と線』や山崎豊子氏の『白い巨塔』などのベストセラーが映像化され、社会派がブームになった。80年代はホームドラマや刑事もの、大河ドラマなどに人気が集中。80年代後半にフジテレビの月9ドラマをはじめとするトレンディドラマが全盛に。これは90年代も続くが、『家なき子』(日本テレビ系)に代表される野島伸司ドラマが60~70年代の社会性を“ポストモダン”化。当時の作品のおもしろさを分析して当時風に再構築した“良い意味での時代遅れ”っぷりが好評を博し、一世を風靡した。この影響でトレンディドラマも進化。木村拓哉人気も起こり、視聴率30%を超える大ヒットドラマが次々と生まれた。

 2000年代初頭は『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)や『ケイゾク』(TBS系)『トリック』(テレビ朝日系)など堤幸彦監督、宮藤官九郎脚本などドラマ界に新しい流れが生まれた。だが、視聴率的には60~70年代の“初心”に返ったような『白い巨塔』(テレビ朝日系)のリメイクや『華麗なる一族』(TBS系)に数字が集まった。テレビ朝日が得意とする刑事、医療ものの人気シリーズが安定した視聴率を獲り始めたのもこの頃だ。10年代くらいからは、現実の社会問題や犯罪をシリアスに描く『Woman』『Mother』(日本テレビ系)などに評価が集まる。この間も軽いテイストの恋愛ドラマがなかったわけではない。しかし、ドラマ黄金期の90年代ほどの勢いはなく、また趣味趣向の細分化やテレビ離れなどにより、国民的と呼べるようなヒットドラマは生まれなかったのが現状だ。

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最終更新:2/3(月) 8:25
オリコン

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