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トヨタも進める“スマートシティ”構想 都市計画家「20年後を見据え、都心にも実験場を」

1/27(月) 9:01配信

AbemaTIMES

 1970年に開催された大阪万博の「三菱未来館」で配られたパンフレットでは、2020年の暮らしが予想されていた。そして今、人類はSF映画のような未来都市を世界中で構想している。

【映像】スマートシティが誕生!トヨタ未来都市

 Googleが今年、カナダのトロントに着工するスマートシティ「IDEA」は、AIの機械学習によって都市をデザイン、建設区画の情報を元に最適なデザインを作り選択する。例えばLEDで車道と歩道を区切り、朝は人の乗り降りや物資の搬入がしやすいよう車道部が、昼になると歩道部が拡大し、駐車スペースは時間帯によって出店スペースに変化する。

 都市計画家の重松氏は「データを活用して最適化していくのはGoogleの得意分野。固定したハードは不要で、プラットフォームだけ作り、使い方によって最適な要素を出していくことができるという点で画期的。AIは常に学習していくので、うまくいかない人たちがいるというデータも吸い込んでいく。どういう街にしたいか、意識調査までしながらやっているところがまた面白い」と話す。また、インタラクション・デザイナーの深津貫之氏は「世界中の情報を整理可能にすることがGoogleのミッションなので、街の全データを手に入れるために自分たちで作っているのだと僕は理解」とGoogleの狙いについて推測した。

 海に浮かぶ海上都市構想「Oceanix」は、約1万人もの人が住み、食料生産まで可能だという。地球温暖化の影響で海面は年々上昇。水没するかもしれない都市を救う打開策として、国連も大きな期待を寄せているという。

 日本でも未来都市構想は動き始めている。トヨタが富士山の麓・静岡県裾野市の工場跡地に来年着工する予定の「コネクティッド・シティは、広さは東京ドーム約15個分の敷地に、トヨタの社員など2000人が住む構想だ。開発中の電気自動車(EV)「イーパレット」を街で自動走行させ、移動型の店舗などとしても活用。AI・ロボット・スマートホームといった先端技術をリアルな生活環境の中で導入していく。豊田章男CEOは「人々が実際に住んで、働いて、遊んで、そんな生活を送りながら実証に参加する街。未来の実証都市を作る」と説明している。「実験としてなので、完成系を作るわけではないと思う。それでも、自動運転や歩行者と車がどう共存できるかという実験を、人を実際に住まわせてやっていくのが非常に面白い」(重松氏)

 また、三菱商事と野村不動産もスマートシティ開発に参加を表明している。「Grand Park」と題するプロジェクトで、ベトナム・ホーチミンに2023年に完成予定で、地域に入る顔認証システムや、渋滞解消を担う自動運転バスなどを提案している。また、大林組では海面上昇対策として、空に浮かんでいるように見える空中都市「FUWWAT2050」を構想している。最新技術で超軽量、超強度の新材料を作り出し、柱からブランコのように吊るした3つ建物の中には病院も完備。約6000人が住む想定だ。

 元経産官僚の宇佐美典也氏は「40年くらい前にも、先端技術と街づくりを一体化して考える、“テクノポリス”という概念があった。ただ、これは新しいモデルを作り、それを全国に展開していこうということで、地域性がなかった。今回は地域ごとにデータを最適化して特色を出そうということだと思うので、皆さんが参加しないと機能しない街づくりでもある」と話す。

 重松氏は「スマートシティに大事なのは、無駄をなくすこと。AIを使ってみんなの活動を予測し、どの時間でどれだけのエネルギーが必要か予測できるようになったら、最適なエネルギーの使い方、発電の仕方が可能だ。トヨタは太陽光と言っているが、実はコストが高い。しかしそれを付加価値として、ちょっと多めに払ってでも住みたいという人がいるのかどうかだ。どんな価格帯、賃貸なのか、分譲なのか。持続可能にするためにはビジネスとしても成り立たないといけないので、エコノミーとしての実験もどんどんして欲しい」との考えを語った。

 「人口減少が起きている日本は、逆に言えばチャンス。変わらなければ存在できない時代が来るので、スマートシティはやらないといけない。今、日本橋の高速道路を工期20年、費用3200億円かけて地下化していくという話があるが、20年後の世界をちゃんと想像して考えているのだろうか。本当に未来に対して正確に投資するとすれば、あそこを全部イノベーション特区して、未来モビリティ、パーソナルモビリティも含めた実験場を作った方が、世界に強烈なインパクトを与えると思う」。

最終更新:1/27(月) 9:01
AbemaTIMES

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