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メディア、政治、行政、医療者の責任は? 日本でなぜHPVワクチンはうたれなくなったのか

1/28(火) 11:17配信

BuzzFeed Japan

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐHPVワクチンは、安全で効果があることを、これまでの3回の記事で検証してきました。それではなぜ、日本ではこの重要なワクチンがうたれなくなっているのでしょうか?これまでの経過をたどって検証し、その解決策も考えてみたいと思います。【寄稿:峰 宗太郎 病理医、薬剤師、米国国立研究機関博士研究員 / BuzzFeed Japan Medical】

症状を訴える声、マスコミの加熱報道で実質中止状態に

HPVワクチンは世界で、のべ数億回接種されており、有効性、安全性ともしっかりと示されたワクチンです。日本でも2013年4月から、小学校6年生から高校1年生の女子が公費でうてる「定期接種」となりました。

しかし、日本では、定期接種となった前後から、「このワクチンをうった後に、麻痺などが起こった」など、様々な「有害事象」の訴えがありました。

念の為にもう一度おさらいすると、「有害事象」とは、ワクチンとの因果関係は問わずに、接種後に報告された全ての好ましくない医療上の出来事のことを言います。

その「被害」を取材し、薬害事件のように伝えたマスコミによる報道も過熱して、社会問題化しました。その結果、厚生労働省の局長通知(「ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対応について(勧告)」)により「積極的な勧奨」が「国民に適切な情報提供ができるまでの間」、中止されました。

「積極的な勧奨」とは、これまでの連載でも述べたように、自治体が対象者にはがきや封書で個別にお知らせを送って、接種を促すことです。

「有害事象」とワクチンの因果関係が判明するまでの中止とされ、その後も、ワクチンと症状は無関係とする数多くの研究成果が出ていますが、未だにこの「積極的勧奨の中止」は続いたままになっています。

この「積極的勧奨の中止」の影響は大きく、開始時には70%程度あった接種率は、1%未満となり、そのままほとんど上昇しない状況が続いています。国際比較でも、特に先進国のなかで日本は極めて接種率が低い異様な状況が続いているのです。

自分が対象者であることも知らず、公費でうてるチャンスを逃している女性が大勢いるということです。

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最終更新:1/28(火) 11:17
BuzzFeed Japan

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