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米国でじわじわ ビール会社が参入する「酔わない」ビジネスとは

1/30(木) 16:00配信

ITmedia ビジネスオンライン

 年末年始といえば、ビジネスにプライベートにと、どうしても増えてしまうのがお酒を飲む機会だ。普段気をつけていても、休みが続くと、いつも以上にアルコールを摂取してしまいがちではないだろうか。もちろん、日本人に限ったことではなく、世界各地で同じことが起きている。

ビール会社のキャンペーンが話題に

 そんななか、世界的に、近年じわじわと支持されているのが、英国発の「Dry January(ドライジャニュアリー)」という活動だ。クリスマスや新年にアルコール類を飲み過ぎてしまった人が、1月(January)の1カ月間だけ禁酒するというもの。

 疲れた胃腸を休ませるだけでなく、デトックス効果もあり、健康にいいと実践する人が増えているのだ。また、1カ月だけ限定的に禁酒をするのではなく、もっと長期的に脱アルコールに賛同するライフスタイル「Sober Curious(ソバーキュリアス)」というムーブメントまで世界的に起こっている。

 確かに、海外では店頭や飲食店などでも、いつの間にか多種多様なノンアルコール飲料が幅を利かせるようになっている。「飲める」「飲めない」という選択肢のほかに、「あえて飲まない」という新たな選択肢が注目されつつあるからだ。

 ひと昔前には考えられなかった、あえて飲まない、あるいは少量しか飲まない「シラフ」でいることが、クールなトレンドになっているのだ。もちろん、そのトレンドを企業が見逃すわけがない。複雑化するアルコール市場で、企業もさまざまなビジネス戦略を練っているようだ。

キャンペーンが話題に

 米国でドライジャニュアリーに参加するのは、約5800万人と言われているが、1カ月間禁酒に耐えるのは至難の業で、多くの人が途中で挫折してしまうという。

 そんななかで、ドライジャニュアリーに目をつけたのは、大手ビール醸造会社のHeineken(ハイネケン)だ。同社は20年1月に、米国でユニークなプロモーションを行った。それは、19年に米国で発売したばかりのノンアルコールビール「Heineken 0.0」が31缶入った、スペシャルパッケージ「The January DRY PACK」を1000ケース限定で無料配布したのだ。

 しかも、パッケージがアドベントカレンダー(日数を数えられるように、窓をひとつずつ開けていくカレンダー)のようになっていて、毎日1缶ずつ取り出して飲めるように工夫されている。1カ月間に及ぶ禁酒生活をサバイバルできるように考えられたキャンペーンで、話題になった。

 かなり大盤振る舞いなキャンペーンだと思うが、これでもまだ序の口に過ぎない。ハイネケンは、ノンアルコールビールのカテゴリーでブランドの知名度を上げるため、年間を通してさらに1000万個もの無料サンプルを配る予定だという。

 同社がノンアルコールビールのプロモーションに力を入れるのには理由がある。19年に米国で発売された「Heineken 0.0」は、初年度の販売目標を上回る100万ケース以上を売り上げており、ノンアルコールビール市場で11%ものマーケットシェアを得ることに成功している。

 ビール業界全体でビールの販売量が伸び悩むなか、ノンアルコールビールはビジネス成長が見込めるカテゴリーとして期待されているのだ。

 もちろん、ドライジャニュアリーに注目する企業は、ハイネケンだけではない。「Coors(クアーズ)」や「Miller(ミラー)」で知られるビール業界大手で、社名を変更したばかりのMolson Coors Beverage Company(モルソン・クアーズ・ビバレージ・カンパニー)も、いち早くキャンペーンを打ち出している。

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最終更新:1/30(木) 16:00
ITmedia ビジネスオンライン

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