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JR九州 命運かけた在来線特急787系電車 「つばめ」から「36ぷらす3」への新たな挑戦

1/30(木) 6:08配信

乗りものニュース

新幹線開業前 特急「つばめ」としてデビューした787系特急形電車

「JR九州の命運をかけた列車でした」(JR九州 青柳俊彦社長)

「これに失敗していたら、いまの自分はありませんでした」(工業デザイナー 水戸岡鋭治さん)

【写真で見る!】改造中の787系電車&改造後はこうなる!

 ふたりがそう振り返る車両、787系特急形電車を、同社では3年半ぶりとなる新しい観光列車「36ぷらす3」に改造する様子が2020年1月29日(水)、JR九州の小倉総合車両センター(北九州市小倉北区)で報道陣へ公開されました。

 JR九州の787系は1992(平成4)年、九州の大動脈である福岡~熊本~鹿児島間を結ぶ在来線特急「つばめ」としてデビュー。九州新幹線がなかった当時、JR九州にとって、鉄道でいちばん頑張らねばならなかったのは、大量高速輸送の在来線特急列車。そうしたなか「乗りたい」と思ってもらえるよう、新たに送り出した787系「つばめ」は重要な列車(車両)だったと、JR九州の青柳社長は話します。

 また、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」をはじめ、現在では国内各地の鉄道車両やバス、船などをデザインしている水戸岡鋭治さん(ドーンデザイン研究所)が、車両製作の初期段階から関わった初めての車両が、この787系です。

「車両のことを知らないなか、試行錯誤でできあがりました。いちばん思い出が深い大切な車両です」(工業デザイナー 水戸岡鋭治さん)

「始まりの列車」だった787系 いま見てもよくできた車両

 1992年(平成4年)に登場したJR九州の787系「つばめ」は、ホテルのような落ち着いた車内空間、ビュフェなどの充実した設備、客室乗務員「つばめレディ」によるサービスなどを持ち、当時高校生だった私(恵 知仁:鉄道ライター)は、かつての国鉄車両、また昭和の雰囲気とかけ離れた車両(列車)の出現に、大いに興奮したことを覚えています(国鉄は1987〈昭和62〉年にJRへ分割民営化)。

 787系は、日本の鉄道業界では歴史のある「ブルーリボン賞」、そして国際的なデザインコンペである「ブルネル賞」を受賞。のちに個性的として広く知られることになるJR九州の特急列車群、その流れに大きな弾みをつけました。

 豪華寝台列車に和風新幹線800系、革張り木製座席の通勤車両と、個性豊かな色とりどりの車両が行き交う現在のJR九州、そして日本を代表する鉄道車両デザイナーのひとりである水戸岡鋭治さん。この787系「つばめ」の成功が、その過去にあります。

「いま見ても787系はよくできた車両だと思います。さわりたくない(改造したくない)気持ちもありますが、それがデビューしたときの感動を考えると、新たな感動を提供したいとも思います」(工業デザイナー 水戸岡鋭治さん)

 今回、小倉総合車両センターで改造中の787系を見て、青柳社長と水戸岡さんは30年前を思い出しながら、「これが始まりの列車だった」とふたりで懐かしんだそうです。

 そして登場から28年。九州新幹線にその役目を譲った787系が今年、観光列車「36ぷらす3」として新たな出発を迎えます。

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最終更新:1/30(木) 19:20
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