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毎日出ても実は「便秘」…便排出障害の治し方

1/31(金) 11:40配信

Medical Note

「便秘は、便が毎日出ないこと」「便が毎日出てさえいれば、便秘ではない」――そう思って、毎日、排便困難感や残便感で苦しみながらも、「自分は便秘ではない」と信じ込み、排便外来に行かずに我慢している方がいます。ところが実際にはこれも、「便排出障害」という便秘のタイプの1つで、治療を受ければ良くなる可能性があるのです。【自治医科大学医学部外科学講座消化器一般移植外科学部門教授・味村俊樹/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇軟便での排便困難、大腸は異常なしだったが…

60歳代女性のAさんは、若い頃から排便回数減少型の便秘で、市販の下剤を飲んでいたためほぼ毎日排便があり、便が軟らかい限りは快適に出せていました。しかし10年ほど前から、便が軟らかくても出しづらくなり、頭に血が昇るくらい息んでも便を全部出し切れず、毎日浣腸して残便感を解消していました。

近くの病院の消化器内科を受診したところ、「大腸に異常がないか調べましょう」と言われ、下剤を飲んで大腸を空っぽにしてから大腸内視鏡検査を受けました。結果は「異常なし」。下剤を処方され、便はさらに軟らかく泥状になりましたが、排便困難と残便感は一向に改善されません。

◇便秘には3つのタイプ

便秘には日本消化器病学会がガイドラインに明記する定義があり、その原因によって▽「大腸通過遅延型便秘症」▽「大腸通過正常型便秘症」▽「便排出障害」――に分かれます。今回は、3つめの「便排出障害」の中で、骨盤底筋・肛門括約筋の動きという直腸・肛門の機能的な異常のために便をスムーズに出せない「機能性便排出障害」による便秘症のお話です。

◇改善されない残便感、排便機能外来で検査

前出のAさんはつらい状況を何とかしたいと一念発起して、遠くの病院の排便機能外来を受診。すると「直腸にある便を自力で上手に出せない便排出障害かもしれません。排便造影検査をすれば原因が分かる場合があります」と言われました。

「便排出障害って何? 排便造影検査って何?」……疑問だらけのAさんは、医師に質問しました。

Aさん「排便造影検査って、どんな検査ですか?」

医師「小麦粉とバリウムと水を混ぜた「擬似便」という造影剤を、カテーテルを使って直腸内に注入した後、レントゲン室で便座に座ってもらいます。そして、日頃のトイレでの排便と同じように息んで出してもらい、その様子をレントゲンで撮影する検査です。いわば、日頃の排便の様子を、擬似便を使って再現する検査です(図1)。」

Aさん「下剤を飲んだり、浣腸したりする必要はないのですか?」

医師「便を出せなくて困っているのだから、下剤や浣腸で、その原因となっている便を無くしてしまう必要はありません。ただ、便はレントゲンで映らないので、映る疑似便を使用します。検査中は、レントゲン室の中を誰も見ておらず、レントゲン透視装置でレントゲン画像を見ているだけですから、レントゲン室を大きな個室のトイレだと思って、日頃、排便をする時と同じように擬似便を出す努力をして下さい。そうすれば、あなたが困っている様子が再現できて、原因も分かります」

説明を受けて納得したAさんは、排便造影検査を受けたところ、「骨盤底筋協調運動障害による機能性便排出障害」と診断されました。

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最終更新:1/31(金) 11:40
Medical Note

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