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魚肉ねり製品3Dプリンターで造形自在 国の研究機関が実証 人工イクラへ活用構想も

1/31(金) 16:31配信

みなと新聞

 水産研究・教育機構は山口県下関市の水産大学校食品科学科の前田俊道教授らの研究チームが中心となって3Dプリンターで立体的なねり製品を製造する実証研究を進めている。食品分野での3Dプリント技術はチョコレートや水あめ、パスタ、クッキーなどに応用されているが、水産食品では初の試み。研究は福島県の復興プロジェクトの一環で農水省の「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」に基づくもの。

 研究開発は福島県の低・未利用魚のカナガシラの高付加価値化を目的に2018年度から3カ年計画で進められている。具体的には市販の武蔵エンジニアリング製の卓上ロボット・3Dプリンターを使って、ねり製品をさまざまな形に造形する。魚肉すり身を押し出すフードカートリッジのノズル口径は1ミリ。描画速度は1秒間に40~60ミリの高さ3センチまで造形できる。

 その際、魚肉すり身がダレたり固まったりして形が崩れないよう適正な弾力のゲル形成にすることが鍵となる。水産大の研究チームは試行錯誤を重ねた末に、「ポリフェノールの多い野菜粉末を混合するとすわりが良くなる(強い弾力が生まれる)」(大久保誠講師)ことを突き止めた。

 こうして、ホウレンソウを混ぜた緑とムラサキイモ入りの紫、ニンジン入りのオレンジ、無色の4種類の魚肉すり身入りフードカートリッジを製造。今後は同県の業者が一連のフードカートリッジを商品として販売し、「催し会場でのデモンストレーションや介護食などとして販売される方向にある」(前田教授)。この他、「イカスミも有効で黒いねり製品ができる」(谷口成紀助教)。

 前田教授の研究チームは魚肉すり身の他に寒天やコラーゲンゼリー、人工イクラなどへの3Dプリンターの活用の可能性を探る他、造形後の加熱方法や冷凍・解凍技術の確立を今後の課題にしている。

[みなと新聞2020年1月31日付の記事を再構成]

最終更新:1/31(金) 16:31
みなと新聞

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