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幸福の国・デンマークで50年続く”非常識”。ヒッピーが独自ルールで暮らすクリスチャニアの背景

2/1(土) 10:00配信

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デンマークの首都コペンハーゲンといえば、カラフルな建物が立ち並ぶ港町「ニューハウン」や世界最古の遊園地である「チボリ公園」など、絵になるスポットが多い美しい街として知られる。

しかし、よくよく調べてみると、デンマークらしからぬ“裏の顔”が浮上する。コペンハーゲンのど真ん中に位置する自治区「クリスチャニア」だ。

“裏名所”や“楽園”などと呼ばれるその場所は、約850人のヒッピーが住んでおり、デンマーク政府から独立したルールで政治が行われている。

一例として、デンマークでは違法とされている大麻(マリファナ)がクリスチャニア内では合法とされている(政府は黙認している)。

なぜ、このような“非常識”が、50年近くも都会の中心に残り続けているのか。クリスチャニアの住民はどんな人々で、どのように暮らしているのか。そんな問いの答えを探すため、実際にクリスチャニアを訪ねてみた。さらに、リサーチによって判明したこの場所の成り立ちについても触れてみたい。

ボスが存在しないクリスチャニアの独自ルール

クリスチャニアがあるのはコペンハーゲンの中心地で、地下鉄で簡単にアクセスできる。最寄り駅の「Christianshavn」から5分ほど歩くと、派手なストリートアートが描かれた建物が見えてくる。

ここがクリスチャニアのメインエントランス。今やデンマークの哲学を体現するような“ブランド”となったこの場所には、世界各国から年間50万人ほどの観光客が訪れるという。この日は平日の朝ということもあり、数人の住民とまばらな観光客がいるぐらいで、静かな雰囲気だった。

この地でまず目に付くのが、至るところに描かれたストリートアートの数々。クリスチャニアと言えば、このカラフルな光景を思い浮かべる人も少なくないだろう。

クリスチャニアでは、盗み、暴力、銃やナイフの持ち込み、ハードドラッグ、車の乗り入れ、動物を鎖につなぐこと等が禁止とされており、これらのルールがあることで治安が保たれているようだ。

とはいえ、街の様子はコペンハーゲンの美しく歴史的な風景とは一線を画している。独自の国旗に国歌まで持つというから驚きだ。

クリスチャニアにはボスが存在せず、問題が起こったときは住民の話し合いによって解決する。

誰もが発言権を持ち、納得するまでとことん対話を重ねるスタンスは、デンマークの教育方針と重なる。

住民はクリスチャニアに対して、月2000クローネ(約24000円)前後の「ソサエティーマネー(クリスチャニア税)」を払っており、この金額には家賃も含まれているそうだ。

一般的なデンマーク国民が払う税率は約50%だが、クリスチャニアの住民はソサエティーマネーしか支払っていない。にもかかわらず、教育や医療等のサービスを国民同様に受けられる。

日本であれば国民の不満が爆発しそうな気がするが、この多様性を受け入れる寛大さがデンマークらしいと言えるのかもしれない。

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最終更新:2/1(土) 10:00
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