【記者:Henry Samuel】
フランス政府がこのほど、田舎にまつわる音や臭いを「田舎の感覚遺産」として認定する見通しとなった。おんどりの鳴き声や牛ふんの臭いなどに対する訴訟が相次ぐ中、そうした動きに終止符を打つのが狙いだ。
中道派のピエール・モレール・ア・ルイシエール議員が提出した法案は、与野党議員が出席した下院・文化委員会で満場一致で可決された。
同議員は仏紙フィガロに対し、法律が成立すれば、「プロバンス地方のセミの鳴き声や(南西部)エロー県のブドウ汁の香りなど、国内各地の特有の音や香り」をリスト化することができると説明。「これまで懸念があった地域は、遺産リストにそれら(地域特有の音や香り)を加えるだけで、今後保護されるようになる」と述べた。
新たな法律では「田舎の感覚遺産リストに加わった音や香りは、近所迷惑とは見なされなくなる」という。
法案は、平穏と静けさが妨害されていると主張する、地方の住民による訴訟が相次いだことを受けて提出された。
最も注目を集めたのは、西部沖のオレロン島で飼育されているおんどり「モーリス」に対する訴訟だった。モーリスの夜明けの鳴き声が睡眠妨害に当たるとして、近隣住民が飼い主を訴えたのだ。
この訴訟は大きな話題となり、モーリスの表現の自由を支持する16万人分の署名が集まった。モーリスは「妨害行為の証拠が提出されていない」として無罪となった。
ある村に越してきた住民のグループが、近隣で牛80頭を飼育する計画を立てた農家を訴えた事例もある。臭いがきつく、ハエがたかるというのだ。
東部コルマール市では住民18人が市長に対し、日曜日のミサで鳴る鐘の音を小さくしなければ提訴すると抗議した。
さらに、ドルドーニュ県に住む夫妻は、カエルが求愛する鳴き声が田舎の静けさを台無しにしているという近隣住民からの苦情により、所有する池の水を抜くよう命じられた。
「こういった田舎の遺産を保護しなければ、少しずつ衰退を招いていただろう」とルイシエール議員は話す。
法案は下院を通過後、近く上院に送られる予定。【翻訳編集】AFPBB News
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最終更新:2/2(日) 10:03
The Telegraph




























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