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今年の選抜は「打高投低」になるか?秋季大会の成績から見える「打高」の傾向

2/2(日) 17:01配信

高校野球ドットコム

 昨年(2019年)の高校野球秋季大会の試合展開や結果を見ていると、20対13のラグビーのようなスコアもあるなど、「打高」という印象を受けていました。そこで、選抜高等学校野球大会の第92回大会と第91回大会の出場校の秋季大会成績を見比べると、「打高」の傾向がより顕著に見えてきました。

 まずはこちらの表をご覧ください。
 サンプルとなる試合数は、主催者指定の公式戦(秋季都道府県大会、地区大会、明治神宮大会)で、2019年の出場校を全て合わせると318試合、2020年の出場校を全て合わせると314試合になります。
今年の出場校の方が前年の出場校より4試合少ないのですが、総得点と総失点が4試合多い前年を上回っています。

 次に打撃成績の比較。
 打数、安打数、打率、二塁打数、三塁打数、本塁打数、総安打数に占める長打の割合、長打率と、ここに挙げたすべての項目で、2020年の32校が2019年の32校を上回る結果になり、総得点が前年から400近く多くなった一端になったと言えるでしょう。特に打数が38しか違わないなかで、打率が2分5厘も違ったのは特筆すべき数字です。

 そうなると数字面で苦しくなるのが投手。次はこちらの表をご覧ください。

 自責点、防御率、被安打率、与四死球率の4つで2020年出場校が2019年出場校を下回る数字になりました。被安打と与四死球は走者を出すということですので、得点に繋がる要因になります。

 また、投手の完投数(コールドゲームを含む)が少なくなり、全体の登板投手数が増えています。これは継投で1試合を乗り切ることが多くなった証拠で、これまでなら完投の試合が多かったチームも、複数投手を積極的に継投で起用にする傾向が見えていると言えるのではないでしょうか。

 新チーム結成から時間が短い秋季大会では、レベルの高い投手を何人も用意することが、時間が長い夏に比べると難しくなりやすいと言えるでしょう。それによって、どんな形での継投かによる違いはあるものの、投手が交代することによっての「安打が出やすい」、「得点が入りやすい」要素が増えたのではないかと推測できます。そうなると、秋の時点で力がやや落ちる投手をどう起用していくかが監督の悩みところになるのではないでしょうか。

 一歩間違えば大量失点につながる継投は、監督にとって最も難しい仕事。ただしお互い似たような状況になれば秋の時点から、それを補う「打力」、「得点力」をつけることを求めていくのが対応策の一つで、打者が自チームの投手陣に「いくらでも点とってやるから楽に投げろ」言える打線を作れるかどうかがポイントになると言えそうです。
複数投手制がさらに浸透し、かつ1週間500球以内の投球制限を考えて采配する指導者が増えることが予想される今後、「打高」の傾向も続いていくのかどうか気になるところです。

今回は選抜出場32校の秋季大会全体に絞って見てきましたが、次回は秋季地区大会に絞っての傾向に焦点をあててみたいと思います。

松倉雄太

最終更新:2/2(日) 17:01
高校野球ドットコム

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