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「ゴジラ」と「自衛隊」は親密な関係? やられ続けた60年、そこには戦略と成長も

2/3(月) 7:10配信

マグミクス

1954年、発足前後の時期に初協力。ゴジラとの関係始まる

「ゴジラ」シリーズは、言わずと知れた怪獣映画の大名作で、1954年に第1作が公開されてから、東宝版、アニメ版、ハリウッド版をあわせて36作が上映されています。これらの作品は同じ「ゴジラ」をテーマにしているものの、いくつかの作品を除き、ストーリーや世界観に連続性がないことが特徴です。

【画像】現実と虚構の交差点? ゴジラと戦った「自衛隊」装備の数々(6枚)

 ゴジラはあるときは「悪の権化」であり、またある時は「人間の味方」であり、登場人物や世界設定も作品ごとに大きく異なります。そんななか、ある意味レギュラーのように毎回登場し、「やられ役」を演じているのが「自衛隊」です。東宝版の多くの作品において、自衛隊は全面的あるいは一部で協力し、数多くの「装備品」を破壊されているのです。ある意味、マイナスイメージにもなりかねない出演の数々ですが、自衛隊はなぜ映画に協力しているのでしょうか。

 それは自衛隊が「まずは広く知ってもらう」ことを広報の基本としているからです。『ゴジラ』第1作の公開は1954(昭和29)年11月3日。自衛隊の発足は同年の7月1日です。つまり、製作側から協力依頼を受けた時、自衛隊は発足の前後でバタバタした時期にあったはずです。しかしそれでも、アメリカ軍から供与されたばかりの戦車やトラックの走る姿を映し、自衛隊の存在をアピールしました。

『ゴジラ』第1作は、観客動員数900万人を超える大ヒットを記録。ネットはおろかテレビの普及もまだまだの時代、これだけの人に一瞬とはいえ、自衛隊の車両を見せることができた広告効果は大きかったのではないでしょうか。以後、自衛隊は、大なり小なりゴジラと手を組んでいくことになります。

60年以上ゴジラと歩み続け、「やられ役」から脱却へ

 しかし、現在「昭和シリーズ」などと呼ばれている第15作頃までは、自衛隊の協力も少し薄めです。これは、ゴジラ第1作が「反戦・反核」を強く訴える大人向けの作品だったのに対し、どんどんと子供向けの怪獣映画にシフトしていったことも要因のひとつでしょう。

 子どもにとってゴジラはヒーローです。その引き立て役として自衛隊が使われることも多くなり、「やられ役」のイメージが付きまとうようになりました。それでも自衛隊は協力を続けています。当時は高度成長期で、自衛隊入隊希望者は非常に少なかったといいます。「悪さばっかりしてると自衛隊に入れちまうぞ!」などという暴言もあった時代です。公に広告は出しにくかった自衛隊のせめてもの宣伝だったのかもしれません。

 その様相に変化が訪れたのは、ゴジラ映画が低迷し10年のブランクを抜けた後の「平成シリーズ」、2000年以降の「ミレニアムシリーズ」と呼ばれる頃のことです。この頃になると、映画自体も子供向けの要素は少なくなり、自衛隊は作品によってはストーリーに大きく組み込まれていくようになります。

 大きな転機となったのは2002年に公開された第26作目『ゴジラ×メカゴジラ』でしょう。この作品では自衛隊が全面協力しており、実機・実車を多用した迫力ある映像が特徴の作品となっています。また主人公は自衛隊の装備であるメカゴジラ(3式機龍)のオペレーターという設定であり、ここに「ゴジラVS自衛隊」という構図がメインとなります。「やられ役」だった自衛隊が、ゴジラと対等の扱いになった瞬間です。

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最終更新:2/4(火) 9:24
マグミクス

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