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USB Type-Cが「統一規格」の覇権を握る?

2/4(火) 15:29配信

マイナビニュース

2020年1月31日にBrexit(ブレグジット)が正式に完了した。つまり、英国がEUを離脱した。いわゆる欧州28カ国の経済/政治圏から英国が抜け27カ国となったわけだ。

【写真】いまや100円均一ショップでもMFI認証のLightningケーブルが売られている

その一方で、同日、欧州議会は携帯端末の充電端子の規格を統一させるための決議を行い、この7月までに欧州委員会に対して立法措置を講じるなどの対処を要請した。

EU圏で1つの充電端子を使うルール

今、世界全体で年間約5,000万トンの電子廃棄物が発生し、一人当たり1.6キロ、ヨーロッパでは16.6キロに相当しているという。充電端子の規格統一に向けた施策は、この電子廃棄物をより少なくすることを目指すためのものだ。

実は、2014年にEUは無線機器指令を出し、共通の充電器の開発を業界に求めていた。ただこの時点では「奨励」にすぎず、目標を達成することはできなかった。数十種類あった充電ケーブルは数種類になったがそれでもまだ混乱は少なくない。だが今回はちがう。強制力を持つルールとして成立させようとしているからだ。

具体的には、現行デバイスで使われている充電端子として、USB Type-C、MicroUSB、Lightningがあるが、それをひとつに絞り込むことになる。どう考えてもUSB Type-Cだ。今ここでType-Cがこの先10年、20年使われ続ける規格としてふさわしいかどうかはなんともいえないが、とにかく1種類に限定するというのは悪くない。

過去にはローミング料金も撤廃

EUは2014年の7月に、EU圏内で移動体通信各社のローミング通信を行う場合、追加の料金を取ってはならないという取り決めをし、デジタル・シングル・マーケットの方向性が見いだされた。そして、3年後の2017年7月以降、EU圏内のキャリアは順次ローミング料金を撤廃するようになった。本当にそんなことができるのかと当時は半信半疑だったのだが、本当にそうなった。すごいことをやるものだと感心する。やはりこういうことはかけ声と強制力が重要だ。それだけで、EU圏内の旅行がどんなにラクになったことか。年に数度の旅行者でさえそうなのだから、頻繁に国を往来する欧州のビジネスマンが受けた恩恵は計り知れない。

その結果、ドイツのSIMを持っていれば、フランスでもスペインでもイタリアでもどこでもドイツにいるときと同じ料金でスマートフォンを使えるようになった。ちょうど、ユーロ貨幣を持っていればEU圏内で別の貨幣に両替する必要がなく、いつでもどこでも買い物ができるのと同じだ。今やキャッシュレスの時代、貨幣の統一がどれほどの意味を持つのかは微妙だが、為替を気にする必要がないというのはうらやましい。

そのEUが端末の充電規格を統一する方向に向けて動き出したのだから、今度こそ、本当に実現するのだろう。つまり、もしType-Cが採択された場合、LightningやMicroUSB端子を持つ機器をEU圏内で売ることができなくなる。EU向けにだけそうするというのはきっと難しいので、おそらく全世界がそちらの方向にシフトすることになるだろう。

ということは、2020年秋のiPhoneがついにLightningではなくなる可能性も出てきた。今や100均のダイソーでさえオリジナルブランドでMFI認証されたLightningケーブルを売っている(ただし500円)。

近い将来Lightningはなくなるかもしれない

もちろん猶予期間も設定されるだろうから、今年の秋時点ではどうなるかわからないが、少なくとも近い将来Lightningは消滅することになりそうだ。それに伴って、大量のLightningケーブルが捨てられては、電子廃棄物がかえって増えるのではという危惧もあるが、そこはそこ、長い目で見れば、モバイル端末を買い替えてもケーブルと充電器は前のものがそのまま使えるし、最新の急速充電が欲しければ、それに合致した充電器を購入すればいいのだからリーズナブルだ。iPhoneだろうがAndroidだろうが、イヤフォンだろうが全部同じという世界が到来する。

もっとも、端子の統一と同時に、ワイヤレス充電についても統一と利用を奨励しているので、もしかしたら有線の充電端子を持たないiPhoneの登場もありかもしれない。

山田祥平

最終更新:2/4(火) 15:29
マイナビニュース

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