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米大統領候補と大リーグ 若年層開拓に目の色変え取り組む

2/4(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【メジャーリーグ通信】

 米国の大統領選挙は、民主党にとって最初の候補指名争いとなるアイオワ州での党員集会で本格化した。

 前副大統領のジョー・バイデンを中心に、2016年の大統領選挙で知名度を上げたバーニー・サンダース、オバマ政権で大統領補佐官を務めたエリザベス・ウォーレン、インディアナ州サウスベンドの前市長ピート・ブーテジェッジらが続くというのが、民主党の大統領選の基本的な構図だ。有力な候補者が政策を競い合って大統領候補の指名を得ようとする民主党の様子は、一見すると活気に満ちているかのように思われる。

 しかし、実際にはアイオワ州での予備選挙が行われた2月3日の時点でサンダースが78歳、バイデンが77歳、ウォーレンも70歳と、主要4候補のうち3人までが70歳を越えている。

 共和党の大統領候補になることが確実な現職のドナルド・トランプが今年6月で74歳になることを考えれば、候補者の「高齢化」は進んでいるのだ。

 そして、こうした現象は大統領候補だけに特有なのではない。大リーグでも確実に起きているといえるだろう。

 2010年代以降、10代の若者の野球に対する支持が低下していることは、「若者の野球離れ」として日本でも報じられている通りだ。

 2015年の調査でも「大リーグに興味がある」と答えた割合が最も高いのが49~67歳であったことなどは、「若者の野球離れ」が進んでいることを裏書きしているかのようだ。

 だが、サンダースが2018年に史上最年少で連邦下院議員になったアレクサンドリア・オカシオ=コルテスの支持を取り付けたり、バイデンが「当選したら1期で退任する」という意向を示すなど、「高齢候補」たちも若者の支持を獲得するために余念がない。

 一方の大リーグ側も、手持ちの資産に比較的ゆとりのある世代だけに依存するのではなく、可処分所得の少ない若年層の開拓に乗り出している。

 近年の代表的な事例は、日本でも昨年から流行している「サブスク」だ。

 2019年に大リーグ30球団のうち18球団が導入したサブスクは、毎月一定額を支払うと本拠地での全試合を自由席で観戦でき、複数の試合で指定席が用意されている、あるいは追加料金を支払って指定席に変えられるという形式が一般的だ。

 アスレチックスの場合、サブスク型の入場券を従来のシーズンチケットの約2倍の1万人が購入し、購入者の平均年齢も従来に比べ11歳若かった。

 昨季のアスレチックスの観客数は166万人であったから、サブスク型入場券の購入者数の占める割合は全体の0・6%でしかない。

 それでも、球場に足を運ぶための敷居を低くしようと、各球団は新しい施策に取り組んでいるのだ。

(鈴村裕輔/野球文化学会会長・名城大准教授)

最終更新:2/4(火) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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