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1人暮らし高齢者の「もしもの時」、民間が支援 入院、入居… 引受人署名や「終活」サポートも

2/4(火) 15:07配信

熊本日日新聞

 少子高齢化が急速に進む中、1人暮らしの高齢者の身元保証や、亡くなった後の手続きが大きな課題となりつつある。子どもや親族がいなかったり、疎遠だったりしても、入院や住まい探しをする場合は、保証人を求められることが多いからだ。こうした高齢者を対象に、支援に乗り出す民間団体や自治体が出てきた。

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 「1人暮らしの私にもしものことがあったら、どうなるんだろうと日々思っていたの。入院や手術、ここの入居のための保証人…」

 熊本市内の老人ホームに入居する村上圭子さん(79)は、大きな窓から明るい光が差し込む自室でほほ笑む。

 一般社団法人「夢ネットはちどり」(同市西区)と2018年4月に契約。はちどりに身元保証をしてもらい、同年末に入院して股関節を手術、19年秋には現在のホームに入居した。契約には、万が一、亡くなった場合のサポートも含まれ、はちどりが親族への連絡、火葬の手配、納骨、行政への事務手続きなどを代行する。

 村上さんは、若い頃に結婚・離婚を経験し子どもはいない。福岡や熊本の企業で働き、「もう結婚しないと決めていたわけではなかったけれど、仕事も楽しくって」。

 以前は賃貸住宅などの保証人を姉の夫に頼んでいたが亡くなり、高齢の姉やほかの親族には、負担をかけたくないと思ったという。

 厚生労働省の調査(17年度)では、入院時に身元保証人などを求める病院は9割に上り、診療所を含めた医療機関全体でも65・0%。介護施設を対象とした調査(同年度)では、95・9%の施設が身元保証人や身元引受人として、契約書に本人以外の署名を求めている。うち30・7%は「署名がないと受け入れない」と回答した。

 はちどりは14年設立。高齢者の家事や外出など日常生活の支援に取り組んできた。利用者らから保証人確保や亡くなった後の悩みが寄せられ、17年から身元保証と死後事務の支援を始めた。

 終身の入院・入居身元保証は28万円(税別)。死後事務委任契約の預託金は、葬儀の規模によって約35万~65万円程度(同)。遺品整理などは別途見積る。これまで約60件の契約があった。

 厚労省の委託調査(17年度)では、同様の事業者は全国で91件把握されている。

 はちどりの堤弘雄代表理事は「死について見つめることは、どう生きるかを考える良い機会になる。最期に関する不安が取り除かれることでQOL(生活の質)が上がり、ポジティブに過ごせることが願い」と強調した。(平井智子)

最終更新:2/4(火) 15:19
熊本日日新聞

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