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新型肺炎対策に大甘な安倍政権…「緊急事態」措置なら今後の生活はどうなる

2/4(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 安倍内閣は、新型コロナウイルスによる肺炎を感染症法上の「指定感染症」とする政令の施行日を当初の2月7日から1日へ前倒しした。これにより患者を強制的に隔離したり、就業を制限できる。ところが、専門家はこの性急な「指定」に呆れている。

 ◇  ◇  ◇

 国民の生命を守ることに驚くほど鈍い政権だ。今更ながら、慌てふためいて新型肺炎を「指定感染症」に指定し、患者を強制的に入院させることができるようにしたが、これはアホすぎる判断である。

 ヒトからヒトへの感染を防ぐことは、もはや最低限の対策レベル。切迫した事態はすでに次のステージに移行しており、蔓延防止策として個人の行動を制限するレベルにまで達している。

 具体的には、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(2012年公布)がある。第45条1項は「特定都道府県知事は住民に対し、生活の維持に必要な場合を除き、みだりに住居またはこれに相当する場所から外出しないことを要請できる」と規定している。中国・武漢市と同様に“患者であろうとなかろう”と、住民全員が対象だ。

 さらに同2、3項は「特定都道府県知事は興行場施設などの管理者、催物を開催する者に対し、施設使用の制限・停止を要請し、応じないときは指示することができる」となっている。人権の問題はあるが、健康な人にうつったら困るから、不特定多数が集まる歌手のコンサートやプロ野球の試合などを中止させるというもの。事情が事情だけに怒る人は少ないだろう。

 ところが、安倍首相は批判を避けるためか、国民へのアピールか、閣議決定で、新型肺炎を古い法律である「感染症法」(1998年公布=感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)に当てはめてしまった。法律の運用上、新型肺炎は新しい特措法に適用できなくなってしまったのだ。

 この判断に呆れ返ったのか、内閣官房は木で鼻をくくった対応だ。

「新型コロナウイルスは特措法の対象外。対象外になったのだから、住民移動の制限など特措法の仮定の話にはコメントできない」(新型インフルエンザ等対策室)

 一方、東京都の担当者はやや困惑顔だ。

「特措法の対象外となりましたので、知事の判断で小学校などを休校させることなどはできなくなりました」(東京都福祉保健局感染症対策課)

 こちらも杓子定規の対応だ。この役人たちの対応に憤慨するのはウイルス学が専門の中原英臣氏(医学博士)だ。

「今は法律がどうの、運用がどうのこうのと言っている場合ではないでしょう。感染の拡大を防ぐ分岐点にあり、少なくとも中国からの航空機、船舶の入国ぐらいは規制しなくてはいけない。国民も未来永劫に行動を制限しろと言っているわけではありません。せめて1週間でも入国を拒否できないのか、アメリカにできて日本にできないわけがない。もちろん、役人が法律を拡大解釈できないのは分かる。これは政治の問題であって、超法規的な措置はいくらでもできます。現に指定感染症の施行は、法を曲げて7日から1日に前倒ししたのですから」

 WHOがようやく重い腰を上げ、緊急事態宣言を発表した。安倍首相の判断次第では、国内でも「新型インフルエンザ等緊急事態」の措置をとることはできる。

 その場合、我々の生活はどうなってしまうのか。

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最終更新:2/4(火) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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