ここから本文です

自動運転車向けLiDARの開発が過熱、新方式の提案が続々と

2/4(火) 7:35配信

MONOist

 自動運転車に欠かせないセンシング技術。悪天候や夜間でも確実に周辺環境を認識するには、さまざまな検知方式のセンサーを組み合わせることが定石だ。その中で、ドライバーが関与しないレベル4以上の自動運転システムにおいて重要だとされるのがLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)だ。可動部品をなくして信頼性を高め、小型化を図るのが各社のLiDAR開発に共通するトレンドだが、併せて求められる物体の検出精度向上に向けてはさまざまなアプローチがある。

統合したデータから対象物の動作予測も行える[クリックで拡大]

 そこで、本稿では「オートモーティブワールド2020」(2020年1月15~17日、東京ビッグサイト)で出展された最新のLiDAR製品について紹介する。

MEMSミラーも使わない「完全な」ソリッドステート型

 東陽テクニカのブースでは、同社が「True-Solid-State(完全なソリッドステート)型」と位置付ける、可動部分や回転機構を一切持たないLiDAR、「XenoLidar」の評価機が展示されていた。同社が代理店契約を結ぶベルギーのXenomatiX(ゼノマティクス)とマレリ(Marelli)が共同で技術開発に取り組んでいる製品だ。

 ソリッドステート型をうたうLiDARは多いが、実際には、MEMSミラーなど可動部分を有した部品が少なからず組み込まれている。一方で、XenoLidarの場合は、「MEMSミラーすら組み込まない、『完全なソリッドステート型』」(説明員)を実現している。可動部分を一切無くすことで、機器本体の低価格化を図りやすくなり、数百万台を量産する場合、LiDARのモジュール一式を約500~1000ユーロ(約6万~12万円)で提供可能になるという。なお、MEMSミラーを使わないため、レーザー照射の方式には、数千本のレーザーを同時に照射して周囲の3Dマッピング化を行うマルチビーム方式を採用している。

 「回転するタイプのLidarは、あくまで研究開発用のものだと考えている。量産化まで考慮すると、LiDAR本体をいかに小型化できるか、低価格化を達成できるかが大きな課題となり、そのためにはXenoLidarのように可動部分を減らす設計が求められるだろう」(説明員)。今後の技術開発の目標としては、マレリが買収したAI知覚開発を手掛けるフランスのスタートアップ、Smart Me Upの技術を用いて、測定範囲内の対象物に「人」「自動車」などと自動的にタグ付けを行う、オブジェクトトラッキング機能を強化していく予定だという。具体的な販売時期は不明だが、2022~2023年をめどに量産化を目指す計画だ。

1/2ページ

最終更新:2/4(火) 7:35
MONOist

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事