ここから本文です

【オーナー直撃】吉澤克己氏、世界へ挑む育成3カ条披露

2/4(火) 12:26配信

サンケイスポーツ

 不定期連載「オーナー直撃」の2020年第1回は、育成牧場・吉澤ステーブルの創業者で、馬主としても活躍している吉澤克己氏(57)に話を聞いた。育成馬6頭の牧場から実績を積み重ね、馬主としては昨年、マスターフェンサー(栗・角田、牡4)でケンタッキーダービー(6着)に挑戦。卓越した育成手法のポイント、今後の夢について聞いた。 (取材・構成=斉藤弘樹)

 --吉澤ステーブルの開業は1994年

 「浦河の牧場の一角を借りて12馬房から始めました。育成馬6頭しか集まりませんでしたが、高校の同級生だった伊藤圭三(調教師)のお兄さんがグランド牧場の社長で、残りの6頭を入れてくれました。そのなかに(ダート重賞5勝の)スマートボーイがいて、その後も(99年オークス馬)ウメノファイバーや(2002年日本ダービー馬)タニノギムレットなどが入ってきました。それから馬が集まるようになりました」

 --現在は北海道の本場、吉澤ステーブルWEST、同EASTの3場を経営。育成のこだわりは

 「3つだけしっかりとやれば馬は育ちます。1つは餌、2つめはトレーニング、3つめは装蹄です。どれか1つでも欠けるわけにはいきません」

 --調教に馬術の技術も取り入れている

 「準備運動では馬術の運動を取り入れてやります。ゲート練習でも、ただ駐立するだけでなく前に出すときも後ろに出すときもあります。そうするとスムーズに後退できるようになります。後退がうまくできない馬は競馬で折り合いがつきません。一番大事なのはその馬その馬の(成長に合わせた)スケジュールです」

 --馬主としても活躍

 「馬主になりたいという目標はありました。大きな理由は馬主バッジが欲しかったからです。競馬場でも、どこでもフリーパスで入れます。調教師も馬主もいるので、うちで預かっている馬の打ち合わせや営業も、そこに行けばできましたから」

 --馬見のポイントは

 「血統が一番です。あとはスタイルやバランス、歩様です。丈夫そうかどうかは、よくわかります。だから、買った馬でデビューしていない馬はほぼいません」

 --昨年は、マスターフェンサーが米国の3冠レースに挑戦した

 「米国へ馬を買いに行くようになって、重みがよくわかります。米国のホースマンがみな目指すのはケンタッキーダービーで、世界で一番偉大なレースといってもいいくらい。そんな舞台に自分の馬が出られるわけがないと思っていました。挑戦できる1頭を探すのは至難の業ですが、今後もどんどん挑戦して、そのうち日本馬が勝てればいいですし、それが僕の馬ならうれしいです」

 --今後の予定は

 「22日の金蹄S(3勝クラス、東京、ダート2100メートル)を予定しています。そこで勝てれば…ですが、ドバイ(ワールドカップデー)には申し込んであります」

 --今後の夢や目標は

 「いろいろな馬主さんから馬を預かっていますし、自分の馬だけでなく、手掛けた馬がどんどん活躍してほしいです」

★吉澤ステーブル

 1994年に北海道・浦河町に開場。その後、福島にも牧場を構えたが、2011年の東日本大震災をきっかけに、12年に吉澤ステーブルWEST(滋賀県)、13年に吉澤ステーブルEAST(茨城県)を開設。本場からトレセンへの育成馬の中継地点として、また現役競走馬の休養、調整、調教などをメインに重要な役割を担っている。17年には滋賀県に育成調教技術者の養成を目的とした湖南馬事研修センターを設立。競走馬に携わる人材育成にも努めている。

■吉澤 克己(よしざわ・かつみ)

 1962(昭和37)年11月17日生まれの57歳。札幌市出身。専大卒で、高校、大学ともに馬術部に所属。大学卒業後、北海道・日高の藤本直弘牧場で5年間牧場長を務めた後、94年に北海道・浦河町で吉澤ステーブルを開業。現在は株式会社・吉澤ステーブルの代表取締役で、2004年からJRAの馬主としても活躍。主な現役馬はアードラー、マスターフェンサーなど。

最終更新:2/4(火) 12:26
サンケイスポーツ

こんな記事も読まれています

スポーツナビ 競馬情報

重賞ピックアップ

あなたにおすすめの記事