中国の湖北省・武漢市で昨年12月に発生した新型コロナウイルスの流行は、今年1月になって中国全土へと拡大し、1月30日(日本時間31日未明)に世界保健機関(WHO)は「国際的な公衆衛生上の緊急事態である」との宣言を発しました。患者数は1月下旬から急増し、記事執筆(2月2日)時点で1万4000人以上、死亡者数も300人以上にのぼっています。海外でも26の国と地域で170人の感染者が確認されており、日本国内でもその数は20人になりました。
このように流行が拡大する中、さまざまな医学的な情報が発信され、今回流行している新型コロナウイルスの正体が次第に明らかになってきました。【東京医科大学病院渡航者医療センター部長・濱田篤郎/メディカルノートNEWS & JOURNAL】
ヒトに感染するコロナウイルスの中にはSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)のように重症の肺炎をおこすものもありますが、多くは軽い風邪の症状をおこすウイルスです。動物に感染しているコロナウイルスも数多くあり、それがヒトに感染して流行することがあります。SARSやMERSの流行はその典型例で、今回の流行も同様です。武漢の市場で販売されていた何らかの動物から、コロナウイルスがヒトに感染し、流行が始まったと考えられています。12月中は患者数があまり増えませんでしたが、1月には武漢の町中でウイルスがヒトからヒトに拡大するようになっていきました。
コロナウイウルスの多くは呼吸器に侵入して増殖します。このため患者は鼻水やせきといった上気道の症状や、肺炎など下気道の症状をおこします。こうした患者がクシャミやせきで周囲にウイルスを放出し、その飛沫(ひまつ)から感染が拡大するのです。
武漢で動物からヒトにウイルスが感染していた時期は、肺炎を起こす人が多くみられました。これはウイルスが下気道で増えていたためで、感染力はそれほど強くありませんでした。しかし、ヒトからヒトへの感染がおこってから、ウイルスが上気道の咽頭(いんとう)や鼻などでも増えるようになり、周囲に飛沫を放出しやすくなったようです。その結果、1月下旬から患者数が急激に増加していきました。
最終更新:2/4(火) 12:55
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