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秋名の夜桜、今年も壮観 壮年団が25年かけ並木整備 龍郷町

2/4(火) 13:03配信

南海日日新聞

 鹿児島県奄美大島で数少ない夜桜を楽しめる名所が、龍郷町秋名集落にある。芦花部トンネルから秋名入り口にかけてのヒカンザクラ並木だ。2日、ライトアップが始まり、16日までの2週間楽しむことができる。今は壮麗な桜並木は25年前、割り箸ほどの小さな苗木を、壮年団が1本1本植樹したのが始まりだった。

 秋名集落の壮年団活動に役立ててほしいと1995年ごろ、10万円の寄付があったのがきっかけ。同集落の初代壮年団長で、元役場収入役だった故成海善文さん(当時90)の篤志だった。当時、壮年団長だった山田祥浩さん(72)は「飲み食いに使えば消えてしまう。記念になることをしよう」と知恵を絞った。

 同年3月に完成した芦花部トンネル周辺はまだ殺風景。「ここを桜並木にできたら」。団員の中からアイデアが出された。集落内は潮風による塩害もあり、桜の育成に適さない。山が潮風を遮る同トンネル~秋名集落入り口は、立地的にもちょうどよかった。

 知り合いのつてを頼り、沖縄からヒカンザクラの苗木を150本購入。11月、団員25人はポットに入った小さな苗木を1本1本、5メートル間隔で植樹していった。周辺の雑草と間違えて伐採されることがないよう、年に2回、慎重に除草作業を行い、丁寧に生育を見守ってきた。

 やがて立派な桜並木に成長。最初に咲いたヒカンザクラは成海さんの墓前に供えた。後に60本の苗木も植樹され、今では210本、約1キロに及ぶ。全国に先駆けて春の訪れを告げる、壮観な並木道となり、通る人たちの目を和ませている。

 95年当時、植樹作業を取材され、「数年後の花見を夢見る秋名壮年団メンバー」として掲載された町広報紙に、山田さんはこう答えている。「将来的には花見のできる桜並木道として秋名の名所としたい」

 壮年団の夢は見事「開花」。数年前からは集落の有志「秋幾農業創成塾」(龍宮省三塾長)が夜間のライトアップを始め、今年で5回目を迎えた。2日夜、点灯式後に大勢の人々が花見を楽しんだ。山田さんは「あの割り箸みたいな小さな苗木が、こんな立派な桜並木になるとは感無量。寄付をしてくれた成海さん、桜の植樹を思いつき、協力してくれた壮年団、みんなのおかげだ」と目を細めて夜桜を見上げた。

 夜桜のライトアップは午後6時半~9時まで。

奄美の南海日日新聞

最終更新:2/4(火) 13:03
南海日日新聞

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