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羽生のコーチが明かす「彼は今、誰のためでもなく自分のために滑っている」

2/4(火) 6:00配信

スポーツ報知

 【仁川(韓国)3日=ペン・高木恵】フィギュアスケートの四大陸選手権はソウルで6日に開幕する。男子で五輪連覇の羽生結弦(25)=ANA=のジャンプコーチ、ジスラン・ブリアン氏が3日、仁川空港に到着。羽生が2018年平昌五輪で使用したプログラムに戻すことについて「世界選手権で勝つためのプログラムを探った」と代弁した。今大会で主要国際大会完全制覇を成し遂げ、3月の世界選手権(18~22日、モントリオール)でのネーサン・チェン(米国)からの王座奪回へ弾みをつける。男子ショートプログラム(SP)は7日に行われる。

 今回の決断には驚いた。しかし、羽生らしいとも感じた。SPはショパンの「バラード第1番」、フリーは「SEIMEI」へ。ともに羽生の代表作に戻した。シーズン途中での変更は、シニア転向後初めてのこと。この日、韓国入りしたブリアン・コーチは「世界選手権で勝つためのプログラムを探った」と語った。3月の世界選手権での王座奪回へ、羽生自身が決めたという。

 平昌五輪後、SPでジョニー・ウィアー氏(米国)が滑った「秋によせて」を、フリーではエフゲニー・プルシェンコ氏(ロシア)の演目をアレンジした「Origin」を滑ってきた。ブリアン・コーチは続けた。

 「より自分らしいプログラムを選んだ。彼はウィアー、プルシェンコへの尊敬の念からこれまでの演目を滑っていた。しかし、それをやると、本来の自分の演技にはならない。自らの内からあふれ出るものが必要だった。彼は今、誰のためでもなく自分のために滑っている」

 「バラード第1番」は通算4季目、「SEIMEI」は3季目。ルール改正前の世界最高得点を2度更新した伝説のプログラムは、羽生にとって頭で考えずに“跳べる”プログラムだ。指先の細やかな動きまで、体に染みついている。今大会は見送り、世界選手権での投入を視野に入れている人類初の大技「4回転半ジャンプ」(クワッドアクセル)も組み込みやすい。平昌五輪ではサルコー、トウループの2種類4本だった4回転は今大会、ルッツ、サルコー、トウループの3種類4本を予定している。

 伝説になった五輪金プログラムは、人々の記憶に刻まれている。それをこのタイミングで再演することは、非常に勇気がいることだ。「あれ以上」が求められる。そして羽生のことだ。さらに進化した「バラ1」と「SEIMEI」を披露する準備を積んできたに違いない。生半可な決断ではない。勝つための羽生の覚悟が垣間見える。今年の誓いは「限界の5歩先へ!」。クワッドアクセルを入れた超異次元の「SEIMEI」を携え、奪還に向かう。

 ◆四大陸選手権 欧州を除く4大陸(アジア、北中南米、アフリカ、オセアニア)の選手を対象として1999年に創設された。世界選手権や欧州選手権より歴史は浅く、世界選手権に向けた調整の舞台に位置づける選手も多い。日本勢は前回までに男子は7度、女子は13度優勝。村主章枝、浅田真央はともに3度制覇。羽生結弦は過去3度(11、13、17年)出場し、全て2位。

報知新聞社

最終更新:2/4(火) 6:00
スポーツ報知

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