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タクシー配車アプリ普及率はわずか2%、DeNAと日本交通が事業統合を決めた背景と狙い

2/5(水) 8:30配信

レスポンス

全国の月間タクシー輸送回数は約1億回。そのなかでタクシー配車アプリを使用して輸送した割合は、わずか2%。そんな切実な事情があるなか、日本交通ホールディングスとDeNAが、タクシー配車アプリなどの事業を4月1日に統合することを決めた。

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具体的には、DeNAが運営する次世代タクシー配車アプリ「MOV」事業と、日本交通の子会社 JapanTaxi が運営するタクシーアプリ「JapanTaxi」事業を統合する。

この統合で、タクシー台数は約10万台、ダウンロード数は1000万を超える「日本最大のモビリティサービス」に。株主比率はDeNAが38.17%、日本交通ホールディングスが38.17%、その他が23.66%。統合後の社名は今後検討していくという。

両社は2月4日に都内で会見を開き、日本交通ホールディングス 川鍋一朗 代表取締役、DeNA 中島宏 常務執行役員 オートモーティブ事業本部長が登壇。ふたりは、なぜいま事業統合にいたったか、その市場背景や狙いなどを伝えた。

冒頭のように、まずタクシー配車アプリの国内普及率が圧倒的に低い。両社はこの事情を「配車アプリ後進国」とたとえ、郊外や雨天・降雪時、深夜帯など「いま乗りたい」というときに使いにくい配車アプリの実情を明らかにした。

「たとえばタクシー運転手が10時間勤務すると、実際に客がに乗って走ってる時間は2~3時間しかない。1日の労働時間で乗客を輸送している時間は2~3割しかないというのが実情」とDeNA 中島 部長。さらにタクシー事業者の投資額についてもこう言及した。

「タクシー車両保有台数が200台以下の中小企業が99%。こうした中小企業がタクシー全体の86%を占めている。こうした数字があるいま、ライドシェアで解決できるんじゃないかというけど、それは違う」

「ライドシェアが普及する北米などを含め、世界的にいま再規制という流れにいる。なぜ再規制か。それは、強盗事件や性犯罪などが増加し、渋滞・CO2などの環境問題が深刻化し、さらに最低賃金・不当解雇・労災非適応といった労働問題も指摘されているから。こうした事情から、いまさら周回遅れでライドシェアを導入しても、世界から2周遅れになるだけ」(DeNA中島部長)

こうした現況をみすえ、「日本がもつホスピタリティと、IoTを組み合わせることが最善の道」と両社は統合を決意。「国内の鉄道・バス・航空といった質の高い、世界最先端のレベルにある交通サービスと、世界トップクラスの品質をもつタクシーをつなぎ、タクシー産業の課題解決を起点に、交通・社会課題の解決へと広げていく」(DeNA中島部長)という。

また、統合後には相乗り・乗り合い、定額運賃、ダイナミックプライシング、配車予約、相互評価、車種選択といった利用者ニーズにあわせた移動を実現させる計画。

会見の最後、統合後の収益化について聞かれたDeNA中島部長は、「タクシーの配車アプリには、乗客と事業者、2つのユーザビリティが要る。その両面でコストがかかる。そのコストをこの統合で互いに負担することで、二重投資が減る。とくに事業者サイドのユーザビリティを高い領域へと構築していくことがキーポイント」とも話していた。

《レスポンス 大野雅人》

最終更新:2/5(水) 8:30
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