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新型肺炎から社員の命を守る…「在宅勤務」企業の導入実例

2/5(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 新型コロナウイルスによる肺炎患者の拡大が止まらない。武漢市はまさにゴーストタウンで、都市機能を完全に失っていた。日本でも京都のソフトウエア開発会社「コネクトフリー」がすでに始めているが、「リモートワーク」(在宅勤務)のシミュレーションをしてみた。

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 新型コロナウイルスの流行が日本で起こらないとも限らない。

 2009年から10年にかけ、新型インフルエンザ(H1N1)が大流行し、全世界で1万8000人以上の死者を出している。今回の新型肺炎の被害は未知数だが、このときに注目されたのが、リモートワークという働き方だ。日本でも大企業やIT業界を中心に少しずつ普及し、このような大災害による日常業務の制限を想定してテレビ会議などが導入されている。厚労省の推定では、未知の新型ウイルスが蔓延すると勤務者の40%が欠勤する。在宅勤務は必要不可欠だろう。

 リモートワークの基本は職場から離れて、自宅やカフェなど(=遠隔)からインターネットやメール、電話などを利用して働くことをいう。東京で流行しても、北海道や鹿児島県では移動の制限が行われていないかもしれない。札幌市内のスターバックスから、テレビ電話で上司に報告を行うようなイメージだ。

 また、リモートワークは介護や子育てなどで自宅を離れられない会社員の働き方改革のひとつとしても注目されており、今からどんな働き方かを知っておくこともいいだろう。

 現在、導入している主な企業の例を挙げてみよう。「三井住友海上火災保険」は16年11月から実施し、現在は全社員の約1万3000人を対象に原則週2日(週3日以上の利用も可)で、在宅勤務が可能となっている。

 まだ制度が社員に浸透していなかった16年度は785件の取得だったが、今年度は4006件(10月末時点)へと上がっている。

「いつでも利用できるように全社員にPC(パソコン)を配布しています。ここにはコミュニケーションが取れるようにWEB会議のシステムやビジネスライン(チャット)のシステムが導入されています。メールよりも気軽にリアルタイムで連絡が取り合えます」(広報担当者)

 外出先から直帰し、カフェや自宅からやりとりしたり、子育て中の女性社員が、子どもの発熱など急な事態に合わせて、午後は半分、在宅勤務に切り替えたりもできる。臨機応変に使えるそうだ。

 インフルエンザなどで体調は回復していても外出できないときは、まさしく効力を発揮しているだろう。

 リモートワークを利用すれば、退職も職務内容も変えることなく、伊豆や沖縄などへの移住も可能。全国、全世界に散らばっても仕事が進められるから、アウトブレーク(地域の感染爆発)などにも影響を受けない。

 その成功例がIT企業の「サイボウズ」だ。10年から在宅勤務制度をスタート。当時は試験導入だったが、翌年3月に東日本大震災が発生。原発事故発生後は、状況を見ながら〈東京オフィスの社員全員、在宅勤務の日〉として役員が社内共有ツールを使い、連携を図ったという。

「社員にはリモートワークの日数の上限を設けていません。育児や介護に限らず、通学や副(複)業など各事情に応じて、個人でスケジュールの調整をしています」(広報担当者)

 何とも自由な働き方だ。これも通勤の時間やラッシュ時の体力消耗などが省けるメリットがあるから。同社もWEB会議やチャットなどの連絡手段で「困ることはない」という。

「普段の勤務時からリモートワークをするか社員の判断に任せているので、災害時なども自主的に判断できると想定しています」(前出の担当者)

 しかも、リモートワークを導入したことで、05年に過去最高の離職率28%だったのが、導入後は年々減少し、現在は4~5%程度に落ち着いている。社員の定着率にもつながっているのだ。

 あくまで非常事態での想定だが、銀行や証券会社、製造業も一部内勤社員ならすぐにリモートワークで働けそうだ。

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最終更新:2/5(水) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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